今春夏のsusuri展示会を訪れた日
一番に目に飛び込んできたひとつのテキスタイル。
それは一見静かな水面を映し出したようで
それでいてひと時も同じ表情を見せることのない
静かな抑揚を描き出し感動すらおぼえるものでした。
ざっくりとした表情のやや地厚なコットンリネン布を
まるで水面に例えて浮かべたような蓮の花。
特殊な織組織を得意とする群馬県桐生市のジャガード織り。
水面に滲む花弁や陽光を受けてきらきらと光る蓮の花を
和紙繊維を折り込みながらカットジャガードという手法で
描き出したsusuriオリジナルのテキスタイルです。
susuri
Bolt In Shirt Jacket
white
S (one) size
¥40,000+tax
コンパクトなサイズ感のシンプルなシャツジャケットデザイン。
インナーに困ることの無い絶妙なラウンドネックライン。
気付かれないように襟元にそっと刻んだダーツが
大切な隠し味のように立体の行方をひそめています。
やや厚地のコットンリネン生地に共布のくるみボタン。
アウターには似つかわしい小さくてたくさんのボタンは
susuriのアイコンディテールのひとつと言えます。
小さく弧を描いたダーツはさりげなく脇をパネルに取り
ハリ感のある生地を身体の厚みや立体に沿わせて
静かなAラインシルエットに仕上げてくれています。
まるでデザインの一部のように背面に寄せた幾本ものダーツ。
コンパクトでフィット感のあるシャツのような
ジャケットを作り出したかったというデザイナーの意志が
その一つ一つのダーツに投影されているかのようです。
水面に差し込む光が屈折し見せるプリズムのように
無数のダーツが蓮の花をさまざまな形に変えていきます。
小さく切り込んだスリットデザイン。
細かなディテールのそれぞれが「らしい」susuriのお洋服。
INNER:maison de soil Embroidery Open Front Blouse
SKIRT:humoresque Shadow Border Gather Skirt
SHOES:R.U. 「Jo」One Lace 2way Lace Long Vamp Shoes
まずはモノトーンのシンプルな着こなしで。
一見すると無地に見えるジャケットとスカート。
よく見るとそれぞれが花柄とボーダーのジャガード織り。
さりげない柄×柄の大人のパターンミックス。
ONEPIECE:「memorable」High Twist Cotton 2way Onepiece
BAG:minä perhonen「bird boat」egg bag
SHOES:R.U.「camille」One Lace Gillie Shoes
シンプルなデザインと印象的なテキスタイルの表情。
オケージョンに応じて様々な着こなしを楽しみながら。
ちょうど今時期は春のセレモニー服としてもおすすめです。
INNER:maison de soil Embroidery Pullover Shirt
PANTS:Needles FOR poefu Hiza-Deru Pants
SHOES:DANSKO Professional Oiled brown brown
普段着にカーディガン感覚でさっと羽織って。
オフホワイトにピュアホワイトの刺繍のブラウス。
女性らしい雰囲気をメンズライクなパンツで外して。
世界に誇る伝統的な日本の和紙繊維と
桐生のジャガード織りの特殊な技術が描き出した
唯一無二の蓮の花たちが浮かぶテキスタイル。
「Bolt In」と名付けたシャツジャケット。
無数のダーツがボルトのように絞り込み描くプリズム。
デザイナーはその美しき布に更なる意志を与える。
それぞれのプロフェッショナルの想いが交わり合うところに
この美しいプリズムのようなお洋服があることを
素直に感動し幸せに思うのです。
特殊なジャガード織りを得意とする群馬県桐生市の機屋さんで、いちから作り出されたsusuriオリジナルのテキスタイルです。
花部分に和紙繊維を織り込みカットジャガードと呼ばれる手法で織られています。
今春夏susuriがテーマにしている「Looking Grass River」を色濃く映し出したテキスタイルは、蓮の花が水面に浮かぶ様子を描いたとても表情豊かな花柄です。
コットンリネンベース生地は、室内環境であれば一年を通して着て頂ける程度のやや厚みのあるき時間です。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
春夏をメインに着て頂く軽いアウターとして、ワイドパンツやスカートとの相性がとても良い短め丈のアウターです。
前肩を内側に入れスッキリとしたシルエットを作り出していますが、背面に運動量を持たせていますので、とても快適な着心地です。
「シャツのような。。ジャケットのような。。」という曖昧な着地点を目指して作り上げたシャツジャケットです。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
「Bolt In」=締める、閉じるといった意味合い。
襟元に気付かれないようにそっと入れられたダーツをはじめ、随所に入れたダーツがそれぞれの役割をもって、平面的に見えがちなコットンリネンの生地をとても立体的に成形しています。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
susuriのお洋服に度々見るアウターに似つかわしい小さなボタンとその数。
このシャツジャケットでは共布をくるみボタンに仕立て、フロントに9つのボタンが狭間隔で並ぶ姿がとても印象的です。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
身体の厚みや立体に沿うように、脇下から裾に向けて入れたダーツは静かなAラインを描きます。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
ダーツをあえてデザインのように使用した背面。
背中心からシンメトリーに背面に入れた4本のダーツが、カットジャガードの花柄を更なる別の形に変容させています。
水面に浮かべた蓮の花たちが、プリズムによってまた違った表情を見せるかのようです。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
背面裾に小さく刻んだスリット。
ベーシックを充分理解したうえで、ほんのわずかにブランドの「らしさ」をディテールの一つ一つに垣間見ることが出来ます。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
ハンドドローイングで描いた蓮花。
この唯一無二の美しい結末をデザイナーは知ってこの花を描き始めるのだろうか。
描き夢想したものを具現化する、世界に誇る素晴らしい技術を持った日本の工場。
そこに更にデザインを加えテキスタイルは一枚のお洋服となる。
この美しい結末に至るまでの道のりの曲折というプリズムは本当に興味深く、それらを想像して着続けて頂くことでより深い愛着を感じて頂けると思うのです。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。
テキスタイルの性質上、柄の出方が一点ずつ異なります。
既製服でありながら、その個体差がどこか一点もののような特別感もこのテキスタイルのお洋服の楽しみなりそうです。
画像をクリックしていただくと大きな画像でご覧いただけます。