月刊『poefu』8月号のご紹介です。
nitca FOR poefu
cocoon coat
Beige/Charcoal grey
S/M size
¥39,960
(モデル身長153cm S size 着用)
『幸服の重ね着』掲載の愛するモノたちの中で
一年を通じてたくさんのお問い合わせを頂いていたコクーンコート。
nitcaから毎シーズン展開されているカシミアビーバー素材を
毛足の長いアルパカウール素材に変えて別注しております。
(アルパカ43 ウール 37 ナイロン20%)
Beige (書籍掲載カラー)
ベージュの濃淡に見え隠れするグレーやブラウン。
光の加減によっても色の印象は幾重にも変化します。
(実物は書籍掲載のものより淡色とお考えください)
冬のコーディネートに温かさを身近に感じさせてくれる
獣毛の素材感が映えるウインターベージュ。
このコートを最も美しく見せてくれる首周りと肩線。
着物のような肩から首にかけての登りと抜け具合
その一方でなで肩を演出する下りの美しい稜線。
Sサイズは肩線が内側に大きく入りますがアームホールを大きくとり
窮屈さを感じさせないとともにインナーの大小を問わない
機能美も同時に兼ね備えています。
着脱を容易にするドットボタン。
全てをとめた際にフロントには「何もない」という
このコートの存在をより有意義にする二面性を併せ持ちます。
秋色を使ってのコーディネート。
Honette FOR poefu リバティーの花柄ワンピースで。
リバティーならではの上質な素材をキャンバスに見立てて
水彩画で描かれた優しい色柄に秋冬が楽しくなります。
n100の新色カーキのポプリンアーミーパンツにOFFICINEのレースアップブーツで。
瞳に映る自然界の穏やかな秋色のグラデーション。
Charcoal grey
ところどころに見える白糸ケーン糸の霜降りグレー。
ベーシックな色は合わせるものを何ひとつ拒むことの無い万能色。
背面から見ても美しい肩の稜線。
UNIVERSAL TISSU FOR poefu「あのサロペット」マニッシュなウールストライプで。
Veilのカットソーはパープルグレーで上品なクロスジェンダースタイル。
1956年にクリスチャンディオールが発表したコクーンコート。
コクーン =繭という名の通りの包まれるようなシルエット。
排除されるデザインの行方には究極の引き算
つまりデザインをしてはいけないという
否定することから始まる美しさへの難問が待ち受けています。
ディオール以降たくさんのデザイナーたちが挑んできた難問コクーンコート。
当時若干28歳だったnitcaデザイナー内田恵子からの回答。
それはディオールを越えることではなくもっと単純な答え。
「誰にでも似合う、誰もが可愛くなれる、手の届く手頃な価格のコート」
当たり前なようでいてそれはコクーンコートの難問以上の難問を
自らに課し導き出した究極の答えのように思えます。
たくさんの笑顔に出逢えることを8月5日より楽しみにお待ちしております。
サイズ詳細
S size
着丈 87cm
前肩幅 32cm
後肩幅 34.5cm
袖周 97cm
袖丈 49.5cm
胸囲 108cm
胴囲 108cm
裾囲 68cm
サイズ目安は7号から11号サイズの方にそれぞれの似合い方になります。
9号の方でも袖丈は9分寸になる方もいらっしゃいます。
11号よりの方の場合はお袖が8~9分袖になる袖丈です。
M size (FOR poefu size)
着丈 91cm
前肩幅 38cm
後肩幅 38cm
袖周 68cm
袖丈 52cm
胸囲 118cm
胴囲 118cm
裾囲 100cm
もともとの企画に無いpoefu別注サイズです。
9号~13号サイズの方にそれぞれの似合い方になります。
大半の方がSizeでご着用頂けるのですが
肩幅や胸囲が大き目の9号、11号サイズの方
袖丈が十分寸がお好みの方におすすめのサイズになります。
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通信販売をご希望のお客様へ
ご希望のサイズとお色、配送先のご住所とお電話番号
上記4点をメールにてお知らせください。
(店頭が混み合っている場合はお電話に出れません)
ご予約のお品物となりますのでお振り込みのみでの受け付けとなります。
(お振込先はみ三菱東京UFJ 銀行、みずほ銀行、ゆうちょです)
ご予約可能数に限りがございますので予定数になり次第終了となり
完売の際は店頭での販売はございませんので予めご了承ください。
ご予約を頂いたものから順に受注生産となりますので
ご予約後のキャンセルやお色、サイズの変更はいたしかねます。
予定納期は11月1日納品予定となります。
ヤマト運輸での配送前にお電話にて入荷のご連絡をいたします。
日時指定はその際お電話にてスタッフにお申し付け下さい。
配送料金は全国一律 ¥540になります。
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『幸服の重ね着』こぼれ話
難問。
コクーンコートのデザイン同様にそれを文章化することは
私が想像していた以上に困難を極めた。
書いては消し、書いては消しの繰り返し。
「美しさの問い」たった2ページ半のひとつの物語。
最終入稿の締切が迫る中、その作業は既に二週間以上も続いていた。
実は54の物語のうち唯一デザイナーにインタビューをしたのはこのコートだけ。
出産を直前に控えていたにも関わらずデザイナー内田さんは
このコートが生まれる数々の物語を3時間以上にわたり聞かせてくれた。
本来の内田さんはシャイな人柄、展示会では自ら接客はしない。
すでにpoefuには欠かせないこのコートだったが
本人にお話を聞くまでその幾多の物語を知らずにいた。
「ただただ可愛い良く出来たコート」という認識でしかなったこのコートは
内田さんの静かな情熱の熱量を帯びてインタビュー翌日から難問に変わった。
いくつかのキーワードが頭の中で目まぐるしく回転する日々。
終着点の見えない「美しさへの問い」。
「誰にでも似合う、誰もが可愛くなれる、手の届く手頃な価格のコート」
最も印象的だった内田さんから強烈なワンフレーズ。
最終的にその問いに対して私の答え(物語)は
決して満足いく形とは言えない出来のまま
入稿をしたのは締切直前の午前6時早朝だった。
このコートの真実を伝えきれない自らの文章の稚拙さに悔しくて
このコートの美しさに及ばない自らの言葉に悲しくて
ひたすらに涙が止まらなくなった。
店頭での接客は文章とは違い
顔の表情や身振り手振り
全てが一体となってお洋服の物語は熱量を増してくれる。
「いつもお店で話してくれるように書いてみてください」
WAVE 出版の中村さんから依頼された時の第一条件。
NEWSを書きながらちょうど一年前の出来事を思い出し
今日もその難問に答えは出ないままです。
このコートが導き出すたくさんのお客様からの笑顔。
その笑顔の数だけの幸服の重ね着が
言葉に出来ない文章に出来ない
難問への答えの真実なのかもしれません。