今秋は「poefu」でお取扱いさせて頂いているブランドから
様々な シャツやブラウスをバイイングしています。
本日は弊著『幸服の重ね着』でもご紹介している
ironari by EEL 「バイヤスキーシャツ」のご紹介です。
ironari by EEL
バイヤスキーシャツ
i ( XS ) r ( S )
¥17,064
(モデル身長153cm i ( XS ) size 着用)
一見すると何でもないチェックのシャツですが
実は身頃から袖まで一枚で繋がっているのです。
ただのドルマンスリーブではなく袖下の布が全て無駄になってしまう
贅沢な布使いにはもちろん理由があります。
袖をつなぐ肩線がない事でストレスフリーな着心地と共に
肩幅の大きさに関係なく着て頂くことが出来ます。
そしてメンズアイテムであるシャツ本来の肩ではなく
女性らしい丸みのある肩線に仕上がっています。
手をおろすとチェック柄がバイヤス(斜め)方向に動きます。
身頃とつながった布が自然に見せてくれるデザインです。
平置きで見てみます。
そのまま 後ろ身頃まで縫い目が無く繋がっていきます。
背面真ん中まで布は続いて袖と同様にチェック柄は
バイヤス(斜め方向)に自然な流れで切り替わります。
久しぶりに無地タイプもリリースされています。
上品で印象的なブルーグレーはチェックと同じテンセルコットン素材。
ボタンが隠れるフライフロントやポケットを排除したミニマルさが
クレリックの襟と袖の白をより鮮明に浮き立たせます。
『幸服の重ね着』でご紹介しているコットンギンガムもご用意しております。
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『幸服の重ね着』こぼれ話
このシャツを初めて見た日のことを鮮明に覚えています。
「バイヤスキーシャツ」
ロシア人?みたいなironari (EEL)らしいユーモラスなネーミング。
EEL がブランドを始めた頃から最も得意としてきたシャツ。
10年間のメンズキャリアで培ったノウハウやベーシックな考えをベースに生まれた
レディースブランドironari らしいシャツは見たことも無いシャツの世界。
デザイナー高橋氏が言った一言
「デザインをせずにデザインをしたかった」は
今なお忘れられない興味深い言葉でした。
デザイン学校も出ていない高橋氏は「手をおろす」という
人間が重力に逆らえない当たり前の事実を
布に忠実に対峙しながらデザインにしてしまったのです。
『幸服の重ね着』執筆中も何度も何度も加筆修正を繰り返し
今回もNEWS掲載にあたり何度も何度も加筆修正をしました。
言葉でこのシャツの素晴らしさを伝えることの難しさを
改めて知ると同時に生みの苦しみと同時に
より一層の愛おしさをこのシャツに感じました。
手のかかる子供のようなお洋服。
それは同時に大切なことを気付かせてくれます。