2016.09.28|Blog
長雨と暑さが戻り少し間があいてしまいましたが
TOKIHO 三話目です。
TOKIHO らしい美しいシルエットの
ワンピースのようなコートのご紹介です。
特異な生地選びは最後にお話しするブランドコンセプトを
色濃く表したものになっています。
TOKIHO
Wool Linen -ALISON- 14Button Coat
ecru / light brown
size 1 (one size)
¥44,000+tax
(モデル身長153cm)
ノーカラーと言ってもいいくらいに
小さな小さな襟が佇む姿がむしろ印象的に映えます。
絶妙なパターンメイキングと生地そのものが持つ
しなやかさで柔らかな曲線を描くドロップショルダーライン。
TOKIHOのお洋服は着用時にシルエットの美しさをもって
着る人に静かにその存在の確かさを指し示します。
ロングスカートをはじめとするボリュームのあるボトムスも
裾に向けて末拡がるAラインシルエットは
形を崩すことなく美しく見せてくれます。
INNER:humoresque Silk Wide Gather Blouse ( sold )
SKIRT:Pois E 「OPERA」 Skirt
SHOES:OFFICINE CREATIVE FOR poefu cenere
まもなく入荷するpoefuに欠かすことの出来ない
Pois E「OPERA」スカートで女性らしい雰囲気で。
モノトーンを穏かにする秋のエクリュベージュ。
TOKIHOらしい生地選びのウール50%リネン50%ツイル。
まるでアンティークのお洋服に触れるかのような
存在感のある生地感と穏かな色調がとても印象的です。
リネンとウールそれぞれの素材がそのままに
古手の手織り布のようにガシガシとした手触りの裡に
ふっくらとした柔らかさを併せ持っています。
とてもしっかりとした生地なので
お洗濯を繰り返しながらきっと何年にも渡って着続けることで
愛着が増していくだろうことを予感させてくれる生地。
アウターには珍しい1cmの小さな14個のボタンが並びます。
INNER:humoresque Silk Wide Gather Blouse
PANTS:Quilp Defformet Militaly Over Pants
HAT:coeur femme 8 piece beret
SHOES:OFFICINE CREATIVE
一転してマニッシュなコーディネートで。
アースカラーでまとめて秋らしさを。
こちらのお品物は9月29日(木)11時ごろに
ONLINESHOPにアップ予定となります。
是非ご利用ください。
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弊著『幸服の重ね着』にも書いたことなのですが
新しいブランドや作家さんからのオファーを頂いて
初めてお会いしたり展示会に伺う前には
ホームページはおろか出来るだけの前情報を見ないようにします。
20年前インターネットが無かった時代にお洋服屋さんになったから
それが一番の理由かもしれないのですが
初対面のお洋服や作り手に対して出来る限りピュアでありたいこと
インターネットの情報を一番の真実としてではなく
バイヤーとしての自分の目や手を信じたいと思っています。
恥ずかしながらこの三話目を書くにあたって
はじめてTOKIHOさんのホームページを拝見しました。
ブランドから用意されたプレスリリースを転載したりするのは
本当はとても苦手な事ですがホームページに書かれていた
TOKIHOのTHEMA(テーマ)が
あまりにも心に響いたので引用させていただきます。
-人生となるもの-
古くからある人々の痕跡。
肖像写真、音楽、芸術、建築、家具、衣服。
それらからは、豊かな心や生きることへの責任を感じ、当時の生活を垣間見た様な気がします。
人々の衣類は生活の中で汚れ、当然の様に破れ、
各々にそれでも直しながら、身体の一部として大切に身に付けています。
物は物を越えて、人生の断片となっていきます。
私は、” 人生となるもの ”を念頭に日常のための衣服を制作しています。
汚れても破れても思い思いに直しながら、着続けてもらいたいという思いがあります。
深い感情と共にある 擦り切れた一枚の肖像写真の様に
幾度となく 人のこころに平穏をもたらした 音楽の様に
時に 日常の生活の中に光をさした 芸術の様に
住み慣れた 居心地の良い 部屋の様に
使い古され 角が落ちた 家具の様に
私は、その様な感情のものをつくりたいと考えます。
TOKIHO 吉田季穂
TOKIHOのお洋服がpoefuにやってきて2回目のシーズンとなります。
展示会場でシャイなデザイナー吉田季穂さんの口からはもちろん
直接このコンセプトをお話されることはありません。
ただ本来は言葉を持たないお洋服を通して
このテーマは時間をかけて静かに真実となる確信があります。
今回ご紹介したウールリネンツイルコートは
このテーマを読んだ後に改めて見ると
とても心に深く深く感じ入るお洋服です。
ただ柔らかで軽くて着心地の良いというものでは無く
着る人がお洋服とともに何かを感じながら存在していく。
まさに「人生となるもの」そんなお洋服に感じます。
末尾の一文にある感情をもったものつくり
その静かな感情に私は言葉を添えられることを幸せに思います。
一編の詩のように語りかけるものたちを私たちの手のひらにのせて
poefuのテーマの詩のように短文では無い第三話となってしまいました。
最後まで読んで下さりいつも本当にありがとうございます。