2016.12.12|Blog
今春からpoefuのセレクトに加わった「TOKIHO」。
デザイナー吉田季穂(ときほ)さんはパタンナー出身。
シルエットの美しさに反して動きやすいという
この上なき反比例。
そして「どこから見つけてくるのだろう?」
たくさんのお洋服も布も見慣れているはずなのに
まるでアンティークの布を見ているかのような
独自の感性で選ばれた素晴らしいテキスタイル。
今秋冬最後に届いたショートコートのご紹介です。
TOKIHO
LIBERA-Ⅱ
Wool Linen Short Coat
light brown
size 1
¥50,000+tax
これまでに触れたことの無いような
カリカリと乾いた手触りの独特の質感。
ウールとリネンそれぞれの素材がいかされたツイル。
わたの状態から染色されるトップ糸の様々な色が混じり合い
穏やかで優しいブラウンにグレーを混ぜ込んだような
とても奥ゆかしい色が作り出されています。
試着の段階では少しゴワゴワとして着心地は
敏感な方だとウールのチクチク感を
かすかに首周りなどに感じるかもしれません。
9月28日にご紹介した一重のワンピースコート
「ALISON」14Button Coatと同じ生地です。
「人生となるもの」
その時にご紹介したTOKIHOのテーマを
このテキスタイルは色濃く写します。
着はじめて1週間もするとカリカリとした質感は消え
全体がフンワリと産毛のような毛羽で包まれ始めます。
もちろんチクチクすることもなくむしろソフトな肌当たりです。
手を曲げる位置にはその人のクセと
共に過ごした時を写し取るようにシワが刻まれていきます。
インナーを変えていくことで秋口から春先までの3シーズン
長い季節に対応する素晴らしい生地に変化をしていきます。
わずか一週間でこの変化を感じ取れるので
シーズンを重ねるごとに更なる変化に興味が湧いてきます。
スッキリとした見た目に反して
厚手のニットまで重ねることが可能です。
手をあげても突っ張ることの無い素晴らしいパターンの
袖付けはフリーダムスリーブデザイン。
襟周りはステンカラーともジャケットラペルとも異なる
スタンドカラーのようなデザインです。
INNER:evam eva Cashmere Knit Tunic
SKIRT:kaval Wool Linen A line Skirt
SHOES:R.U one lace black
TOKIHO同様にアンティークのような布使いの
kavalウールリネンのスカートに。
シンプルな中にも大いなる存在感のある
お洋服たちとのコーディネートに心躍ります。
私自身この生地のコートを今秋冬愛用しています。
TOKIHOのテーマ「人生となるもの」が
袖を通すたびにその言葉通りであることを教えてくれます。
poefuという人生の一部となりはじめた「TOKIHO」。
そして人生は続いていきます。
−人生となるもの−
古くからある人々の痕跡。
肖像写真、音楽、芸術、建築、家具、衣服。
それらからは、豊かな心や生きることへの責任を感じ、当時の生活を空間見たような気がします。
人々の衣類は生活の中で汚れ、当然のように破れ、
各々に直しながら、身体の一部として大切に身に着けています。
物はものを越えて、人生の断片となっていきます。
私は“人生となるもの”を念頭に日常のための衣服を制作しています。
汚れても破れても思い思いに直しながら、着続けてもらいたいという思いがあります。
深い感情と共にある 擦り切れた一枚の肖像写真の様に
幾度となく 人のこころに平穏をもたらした 音楽の様に
時に 日常の生活の中に光をさした 芸術の様に
住み慣れた 居心地の良い 部屋の様に
使い古され 角が落ちた 家具の様に
私は、その様な感情のものをつくりたいと考えます。
吉田季穂
ONLINESHOPでもご紹介をしております。
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