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私に出来ること

2017.12.12|Blog

展示会場でバイヤー宛に配られたデザイナー皆川明 氏からの

憂いと希望に満ちた一枚の手紙のようなメッセージ。

 

この素晴らしいテキスタイルで仕立てられた感動域のお洋服を

私なりに出来る限り精一杯伝えてみたい。

 

minä perhonen

「lumi」

Silk Wool Jacquard Coat

navy / beige

38 size

¥120,000+tax

(モデル身長153cm)

 

 

navy

ぴんと澄みきった冷たい空気の冬の夜空に光る満天の星。

その無数の星たちが雪に形を変え

月の光に照らされてキラキラと舞い降りてくるように。

私にはそんな風に見えたnavy。

 

INNER:evam eva Low Gauze Aze Kniting Knit

PANTS:evam eva Cotton Yak Not Skirt But Pants

SHOES:DANSKO Professional Oiled black

秋冬らしいニットやモールスキンなど

素材感や表情性のあるアイテムたちと。

一着のアウターとしての印象性は強くありますが

デザインやシルエットがとてもシンプルな分

コートを主役に色々なお洋服とのコーディネートを楽しめそうです。

 

 

フィンランド語で「雪」を意味する「lumi」。

雪に見立てたドットプリントが布の上を舞っているかのようです。

 

このテキスタイルは21年目のminä perhonenにしか成し得ない

モノ作りへのあくなき熱意が結晶化したもののひとつです。

 

飛び出て見えるリボン状のドットプリント生地はシルクジョーゼット。

「lumi」のテキスタイルはまずこのシルクジョーゼット布を

一枚の単独布で織ることから始まります。

次に織り上げたシルクジョーゼットにフロッキープリントという手法で

雪に見立てた「lumi」のドットをプリントしていきます。

出来上がったドットプリント布をバイヤスでリボン状に裁断していきます。

 

あえて裁断することを前提にシルクで一枚の布を作り出す事。

それは理想とするテキスタイルを完成させるためにとても重要な

私達の想像を遥かに超える理由がそこにはあります。

 

 

リボン状になったシルクジョーゼットリボンを糸状に撚りをかけ

ベースになるウール布に緯糸(よこいと)として織り交ぜていきます。

 

裏側から見るとその難解な工程の痕跡が見て頂けるはずです。

織組織の中にシルクジョーゼットリボンが紛れています。

 

改めて布の表面側

に戻ります。

糸状に織り交ぜられて表に現れたシルクジョーゼットリボン。

それらのひとつひとつを丁寧に手で切っていきます。

最後にその布そのものに縮絨加工をかけ布全体を圧縮します。

ベース布部分は大きく縮み上がり縮れて

シルクジョーゼットのリボン部分は開放され

意図せず四方八方に舞い踊る「lumi」の雪を降らせるのです。

 

透け感のあるシルクジョーゼットに「lumi」をプリントする理由。

表側に見える「lumi」のドットは空から舞い降りたばかりの雪を

裏側に見える「lumi」のドットは温かな布が持つ温度によって

まるで雪が溶けて消え行くような様子でボンヤリと見える偶然を

必然としてのデザイン作為の気配を感じること無く描き出します。

 

 

beige

温かな陽光のベージュと冷たい冬空のグレーが混じり合うように

どこか切ない冬景色のような色世界の中で初雪が舞う。

私にはそんな風に見えたbeige。

 

脇下に余裕を持たせたデザインでインナーには

厚みのあるニットなどを容易に着込めるラグランスリーブ。

同色のボタンが「lumi」の景色の中に見え隠れしています。

 

印象的なテキスタイルをいかす装飾の無いシンプルなデザイン。

ちょうど良いくらいのシルエットも含めて永く愛用頂けそうです。

 

INNER:evam eva Feaher Onepiece

SHOES:R.U. 「Jo」One lace 2way Lace Long Vamp Shoes

もちろん普段着だけでなくフォーマルや式典など

大切な日のアウターとしても。

ミナのお洋服とともにある特別な日常。

それはたくさんの思い出とともに着る人自身だけでなく

お洋服にも幸せな記憶や記録として刻まれ愛着となっていくはずです。

 

 

 

今秋冬展示会でひと際目を引いた「lumi」テキスタイル。

結論としての「ただ可愛い」ということだけでは無い

21年目のミナにしか成し得ない物作りへの想いや熱量があって

完成したテキスタイルはようやく1つのお洋服になるのだと思うのです。

 

展示会場でバイヤー宛に渡された一枚の手紙。

 

今の私に出来ることの精一杯が言葉以上に

皆さまに伝わればと言う想いです。

 

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これからの想い

 

ファッションを取り巻く環境が変わる時、

私たちはあらためて物作りの環境とそれを生かすデザインへの

ひたむきな想いを強く意識していきたいと思っています。

ひとつの素材、ひとつの形、ひとつの工程を、

沢山の想像と技術と知恵を持ち寄って、

ひとつのデザインへとつないでいきたいと思います。

そして私達にとってバイヤーの皆様は大切なお客様であると同時に、

私達のものづくりへの理解者でもあり、

共にデザインを社会やお客様へと導くパートナーでもあります。

物が売れるということでひとつの関係性は成立しているのかもしれませんが、

もう一歩ものづくりの背景やそこに至る思考や想像を

皆様と共有していけたらと思います。

本日お選びくださったものについて、その物の背景や作られ方など

ご質問がありましたら改めて頂戴できましたらうれしく思います。

デザインは思考から生まれそこから多くの人によって形を成していきます。

ファッションは本当に豊かなものづくりに携わることの出来る仕事だと

日々実感しています。これからも、このものづくりの環境を大切に守りながら

理想を高く仕事を省くことなく、新たな試みと過去からの積み重ねを

継続していきたいと思います。

 

ミナ ペルホネン 皆川明

 

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