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2014.06.26

忘れられない服

2014.06.26|お品物, 大事なお知らせ

2001年

今から13年前 横浜美術館で開催された

奈良美智(ならよしとも)さんの個展。

「I Don’t Mind If You Forget Me」

そのワンセンテンスのタイトル はその日見た

作品以上に印象的で何年たっても忘れる事はない。

むしろ歳を重ねるにつれ思い出すことの方が

多くなっているような気がする。

「たとえあなたが私を忘れたってかまわない」

本音なのか、強がりなのか。

そのタイトルに込めた奈良さんの真意を

うかがい知るところではないが

奈良さんの描く不思議な少女たちが見つめる先にいた

私の心に少女たちの眼差しの強さ同様に

そのワンテンスが深く居座り続ける理由。

きっとそれは私自身が人生を折り返す歳を迎えて

出逢いの数よりも別れる数の方が多くなったからかもしれない。

 

先日poefuにとって最も大切な人が他界された。

オープンを前にまだ何も現実味を帯びていなかった

私の夢を毎週のように聞いてくれた人だった。

「I Don’t Mind If You Forget Me」

そんな強がりを言えるほど私は強くはない。

忘れられない大切な人との出逢いと同じでいたい。

忘れられないお洋服との出逢いのある場所で。

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「I Min’d If You Forget Me」

7月1日 (火)~7月24日 (木)

月刊『poefu』7月号(秋冬予約企画展)

EELと ironari by EEL

両ブランドにコットン100%の中畝コーデュロイを

『幸服の重ね着』表紙色に染めたグレー

そして今秋冬のpoefuテーマ色、ブラック、キャメルベージュで

コート・ベスト・ワンピース・バルーンスカートを別注しました。

Unforgettable =忘れられない

and 4 get able =かけがえなき別注4アイテムを中心に

期間中はその他にも多数のEELとironariのご予約を承ります。

期間中ご予約可能品を随時NEWSにてご紹介いたします。

5月末某日 打ち合わせ

コーデュロイ生地と裏地のマッチングを確認中。

6月初某日 ワンピーストワルチェック中

いつも通りに私はメモをとりませんが

ironariパタンナー 田中さんが細かい修正指示を書き留めます。

一枚で着こなしやすいネックラインの位置を確認中。

意味ありげな左胸のポケット。

 

試作段階のバルーンスカート。

より多くの方に楽しんでもらえるように

ウエストのサイズ感と着丈のバランスを考えます。

試作とは言え想像以上の出来栄えに心が躍ります。

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皆様にとって忘れられないお洋服との

出逢いがある企画展でありますように。

まだまだ梅雨空のさえない空模様続きですが

期間中皆様にお会いできますことを楽しみにしております。

 

 

 

 

月刊『poefu』6月号‐美しさの予感‐

2014.06.26|お品物, 店主のつぶやき

お待たせをしておりました

月刊『poefu』6月号が到着いたしました。

 

FOR poefu no control air

「美しさの予感」ワンピース with pocket

one size  black/perle pink/deep green

¥27,000

 

black

これからの季節に大切な一枚での着用がしやすいように

透け感の無いテンセル素材に製品染を施しました。

パルプ由来のテンセルは天然素材に似た染め上がりで

デニムやチノパンツに見られるような

縫い目の所々にパッカリング(アタリ)が見られます。

吸湿速乾性に優れご自宅でのお洗濯も容易です。

微起毛のとても肌触り良い素材で通年着用が可能です。

現在展開しているモデルには付属していない

ファーストモデルのとても小さなポケットを

月刊『poefu』仕様で特別に付けてもらいました。

 

削ぎ落とされた静寂の彼方

「ただ美しい」

何かの予感を感じてくださった方々には

最小にして最大の褒め言葉が用意されています。

 

UNIVERSAL TISSU 「あのカーディガン」カーキグレーに。

シックなカラーリングはちょっとしたフォーマル使いにも。

 

鮮やかなn100のコバルトブルーを。

シンプルながら印象的な夏色を黒が際立たせます。

 

 

perle pink

パールピンクは品のある穏やかな色合い。

儚げな淡い色を夏は主役の一枚として。

秋冬にはブラウン、カーキのアースカラーを。

モノトーンを和らげるさし色使いとして。

 

UNIVERSAL TISSU 「あのカーディガン」と。

誰もが持っている定番色である

杢グレー色が印象的な色合わせに。

 

n100のリネンボーダーに可愛い組み合わせ。

 

 

deep green

ワードローブが多彩になる印象的なグリーン。

 

UNIVERSAL TISSU 「あのカーディガン」

FOR poefu カラーのシャーベットグリーンで。

清涼感のあるグリーングラデーション。

 

青みのあるグリーンにとても映えるパープルを。

 

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『幸服の重ね着』こぼれ話

no control airとの出逢いは6年前にさかのぼる。

展示会出張中の東京から京都へ帰る新幹線までの40分ほどの空き時間。

偶然入った恵比寿のリムアートでの展示会だった。

no control air =ノーコントロールエアー

アパレルブランドらしからぬその印象的で長い名前だけは

創業当初から知っていたが勝手な想像で

前職場にも私にも縁遠いものだと思っていた。

何も言わずに見始めたお洋服は

想像していたものとは違い 見れば見るほど

思いのほかよく出来ていたので(失礼)

そこにいる男性(デザイナー 米永至)に話しかけた。

聞けば聞くほどに面白そうだが新幹線まで時間が無い。

シンプルな見た目だけでは判断が出来ない。

今まで私が扱ってきたものとは確実に何かが違う。

……..その偶然の出逢いから

今ではpoefuでお客様を最も魅了するブランドになった。

 

予感。

もしあの日リムアートに行くことが偶然なんかではなく

何か仕組まれていた必然であったとしたなら。

「何かがあるかもしれない」

それは予感に裏付けされた瞬間瞬間の

自らの行動行為を結論つける。

この何のデザインも施されていないワンピースを

「何かがあるかもしれない」

その予感をもとに手に取るお客様を見る度に

偶然が必然に変わる大切な瞬間を見る度に

恵比寿のあの夜の必然の予感を思い出している。

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