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2020.05.02

我が「道」を「行」く

2020.05.02|Blog

日本国内のドメスティックブランドで

海外デビューというのはかなり珍しいことです。

ブランドを象徴する一着のアウター。

詳細に紐解いていけばその海外デビューから

6年の「道」のりが見えてくるようです。

 

 

kaval

High Count Linen Gauze Dohchu Coat

Unisex – S size

beige(FOR poefu メーカー表記はHazel brown)

black

¥86,000+tax

 

ブランドスタート時から毎シーズン生地や素材を

変えながらリリースされブランドを象徴する

ミディアム丈のAラインシルエットコート。

poefuでも毎シーズン入荷しつつも初めてのご紹介です。

 

メンズライクなステンカラーの襟に対して

フェミニンな印象の大きな前下がりのネックライン。

男女兼用で着ることが出来るユニセックスという

ラインならではなデザインの調和が素晴らしい。

 

表はシャツ地のような薄手の高密度リネンガーゼ。

総裏仕様の裏には甘く織られた異なるリネンガーゼを。

kavalのアウターは全て製品洗いがかかっているので

ご自宅でのイージーケアが可能なのも嬉しいところ。

真夏と真冬以外の季節に活躍してくれそうです。

 

オイルを含ませたようなウッドボタンに見えますが

実はボーンボタンに染色を加えたとても珍しいもの。

もちろんkavalオリジナルで作られ染色されたものです。

 

ネックラインから放射状にハギを多くした背面。

縫製部分にはブランケットステッチミシンを使用し

あえて強めのパッカリングが出るようにしています。

無地の中ストライプのように生地がビビるのが面白い。

 

強めのパッカリングが引っ張り上げるヘムラインは

花びらのような見え方がとても印象的です。

 

(モデル身長154cm)

INNER:NO CONTROL AIR No Collar Shirt

PANTS:FIR MUM Linen Viyella Suspender Pants

SHOES:R.U.「Sue」Long Vamp Shoes

毎シーズンリリースされるkavalを象徴する

中心的な存在のアウターはもちろん合わせやすい。

パンツをコーディネートすればメンズっぽい雰囲気に。

 

2014年春夏シーズンよりイギリス→フランス→日本と

ヨーロッパからのデビューを果たしたkaval。

デザイナーの意識下で日本のブランドであるということを

デザインに落とし込んだのがこのDohchu Coat。

Dohchu=道中という日本語をローマ字で表記したもの。

「道中」は「道行き」とも呼ばれる着物の上から羽織る

袖などが無い外套にインスパイアを受けたデザインです。

どちらかというとこれまでpoefuでご紹介してきた

kavalのお洋服はヨーロッパのアンティークウエアの

影響を感じるものが多い中では少し異質な存在かもしれません。

 

 

ベーシックでメンズライクなステンカラーに

天巾は抑えながら前下がりを加えたネックライン。

襟そのものはメンズっぽく首周りはレディースっぽい。

kavalにはMen’s・Women’s・Unisexという

3つのデザインカテゴリーが存在します。

このDohchu CoatはUnisexのカテゴリーデザイン。

随所に見られるさり気ない折衷デザインに加えて

巧妙なパターンメイクのラグランスリーブは

女性だけでなく男性(MよりのSサイズの方まで)が着ても

全く窮屈に感じないような独特のサイズ感です。

 

kavalを象徴する中心的存在のアウターは毎シーズン

生地や素材を変えながら必ずリリースされます。

同じデザインであっても素材や生地を変えることで

表情や見た目にも大きな変化が現れるのがその理由です。

デザインは一度も変わる事なく素材や生地が

多様に変化しても成立するということは

このコートがとても優れたパーマネントデザインである

という証明にもなっていると思います。

今春夏は55番という端数のあるとても珍しい

単糸のリネン糸を高密で織ったリネンガーゼ布。

デザイナーが糸一本を選別するところから始まり

織り方や仕上げに至るまでの全行程で拘る

kavalオリジナルの生地制作への拘り。

今回のリネンガーゼは高密度に織り上げながらも

既に着慣れたようなクッタリと馴染んだような質感を

デザイナーの意図に基づいて制作されたものです。

blackは反染めで布そのものを染めたもの。

別注色のbeige(メーカー表記はhazel brown)は

製品染めでお洋服を染めたものになります。

 

表生地のリネンガーゼはシャツ地のような薄手生地。

総裏仕様でもさほど厚みはなく且つとても軽量です。

裏地は表色に合わせて異なるものを使用しています。

balckにはプリントで表現したヒッコリーストライプ。

beigeには甘く織られたリネンガーゼを使用しています。

 

 

今春夏の生地にデザイナーが特別に選んだのは

ブランケットの廻り縁に見る特殊なミシン縫製。

ブランケットステッチという手法で縫製されています。

所々に見え隠れするステッチ跡は手縫いのような印象性。

滑脱などの縫製不良を防ぐため一度地縫いをしてから

ブランケットステッチミシンを施す二重縫製。

数名の手の良い縫い子さんにしか縫製できないため

デザイナー自らも縫製に加わるほど手間がかかります。

beigeはカシミアセーブルのホワホワとしたニット糸で

blackはシルク100%の糸でと

どちらも共に縫製糸としては贅沢この上ないだけでなく

こちらも色に合わせて縫製糸を変える拘りようです。

 

ブランケットステッチミシンで縫製した後に

製品洗いをかけることで起こる強いパッカリング。

一般的な既製品の企画ではあり得ないくらいの

縫製糸が縮み布を引っぱる事で特異な表情が生まれます。

とりわけパッカリングによって生まれるヘムラインの段差は

着衣時に花びらのような見え方で美しくさえ感じます。

 

ボタンにも色毎に異なる素材を使用しています。

beigeにはボーン(動物の骨)を独自に染色したもの

blackにはホーン(動物の角)を使用しています。

 

まるでスカートを仕立てるかのように

ハギ(枚数)を多く使用し立体感とドレープが生み出されます。

 

台襟部に走る無数のミシンの足跡。

リメイク時に施すタタキステッチは芯地の役割を形成します。

 

(詳細が分かるようにblackを撮影しています)

圧巻はポケット部分の縫製です。

縦方向はいつものkaval基準の超細かなミシンステッチ。

力が加わる横方向は全て手縫いで仕上げられています。

しかも全製品をデザイナー自らが手縫いする拘りは

kavalにしか成し得ない感動領域への到達を目指すかのようです。

 

 

改めてblackでおさらいと補足を加えながら見ていきましょう。

ブランドスタート時から毎シーズン生地や素材を

変えながらリリースされブランドを象徴する

ミディアム丈のAラインシルエットコート。

poefuでも毎シーズン入荷しつつも初めてのご紹介です。

 

メンズライクなステンカラーの襟に対して

フェミニンな印象の大きな前下がりのネックライン。

男女兼用で着ることが出来るユニセックスという

ラインならではなデザインの調和が素晴らしい。

 

Dohchu=道中コートは和装の外套から取られたデザイン。

首を抜く着こなしをすればネックラインは簡単に上がります。

季節やその時の着こなしや気分とお好みでどうぞ。

 

襟下の台襟部分に潜めた無数のミシンステッチの足跡。

リメイク時などに施すタタキが芯地の役割を果たします。

 

ネックラインから放射状に取られた沢山のハギ。

縫製部分にはブランケットステッチミシンを使用し

あえて強めのパッカリングが出るようにしています。

無地の中ストライプのように生地がビビるのが面白い。

強めのパッカリングが引っ張り上げるヘムラインは

花びらのような見え方がとても印象的です。

 

(モデル身長167cm)

INNER:UNIVERSAL TISSU Frill Cuff Wide Blouse

SKIRT:Pois E FOR poefu「OPERA」Circular Skirt

INNER PANTS:susuri Cotton Silk Flutter Pants(5月4日入荷予定)

SHOES:beautiful shoes「MARYJANE」One Strap Heel Shoes

ザブザブ洗えるアウターはいつものスカートに合わせて

気軽な気分で女性らしいコーディネートを楽しんで。

ワイドキュロットやスカートに合わせれば

Aラインが二段で重なるティアードシルエットに。

 

(モデル身長170cm 男性着用)

INNER:kaval Wide Gather Blouse

PANTS:susuri Penguin Pants

Unisexラインなのでもちろん男性にもおすすめです。

ベージュのトーン違いを利用したワントーンコーデ。

ニットやスウェットなどもラクに重ね着出来るので

かなり長期間での着用が可能で重宝しそうです。

 

 

毎シーズンpoefuに入荷しつつも

ご紹介することもなく完売続きだった一着。

kavalの歩いてきた6年の道行を遡るような

お洋服に向き合えるまたとない機会。

 

 

kavalというブランドをデビューから象徴し続ける一着。

 

イギリスから始まったその旅の道中に

偶然めぐり逢う事が出来た奇跡に感謝を忘れず

その美しきお洋服たちにこれからも感動しながら

その道に標としての言葉を私なりに置いていきたい。

 

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