立野さんがシューズデザイナーを志すきっかけとなった、フランスで出逢ったアンティークの美しきボタンナップシューズ。
自身の出自を指し示すこの靴は、外側にブランドロゴを記せない名刺代わりのようなもの。
シューズブランドとしての象徴的なデザインは、シューズにあるべき履きやすさだけでなく、唯一無二の美しさを伴った稀有な存在です。
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光を受け艶めくアッパーには、イタリアでクロム鞣しされたとてもキメ細やかな表面感のキップレザーが使用されています。
デザイナーが「BLACK GLACE」と例える黒い氷のような透明感を持つ、このレザーとの運命的な出逢い。
美しい皮革ゆえ吊り込みの際に多くのリスクを伴う職人泣かせな皮革です。
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その美しさにデザイナーが感銘を受けたアンティークの佇まいを残しながらも、幅広で甲高な日本人の足型に合うように削り出されたラスト(木型)。
外観美を追求しながらも、履きやすさや履き心地にこだわり抜くという意味では、女性シューズデザイナーならではのクラシカルな靴です。
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実際に古靴に使われるはずだったアンティークのウッドボタンを使用しています。
モデル名の「OCULI」とはラテン語で「眼」を表す「OCULUS」の複数形。
ドーム頂上の開口部や眼窓などを意味することから、この「OCULI」という靴が、光注ぐまばゆき一歩を踏み出す一足となりますようにという、デザイナーからのメッセージが祈りとして込められています。
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ボタンを受ける裏側にはシャツなどに使用される服資材のボタンを。
シェルボタンを使用したいところですが強度面に優れないため、プラスチックのものを使用しています。
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女性靴になくてはならない美しいヒールシェイプには吊り込みの小さなホールが見えます。
職人のベンチメイドで生まれる靴の証です。
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ロングバンプつま先と内羽根のボディを繋ぐ箇所はダブルステッチ。
細やかなステッチが見せる芸術的な曲線は、強度面だけでなくアクセントとしての飾りをさりげなく演出しています。
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女性デザイナー目線での、軽やかさや履きやすさを重視したマッケイ製法。
コバやソール部分のオールブラックのモノトーン統一や、ヒール部の飾り釘と、どこまでも妥協を許さないデザイナーの美意識が共存しています。
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インソールには静かな情熱を指し示すかのような深紅のレザーをあしらっています。
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