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それぞれの味付け

2019.02.02|Blog

店頭でお客様の接客に充たる際に

お洋服をお料理に

デザイナーを料理人に例えることがよくあります。

 

素材や生地を食材に置き換えるなら

その調理方法にはデザイナーなりの味付けがあるはずです。

 

お洋服に最も多く使われるコットンという素材。

ふたつのコットンの全く異なる生地の興味深い調理。

是非ご賞味あれ。

 

 

NATIVE VILLAGE

Cotton Canvas Onepiece Dress

natural

Free(one)size

¥38,000+tax

 

100年以上に渡り岡山で作られている綿カスを残した

生機(きばた)の11号コットン帆布(キャンバス)。

本来であればバッグに使用される頑丈な生地です。

キャンバスは簡単に言うと平織りの厚地布のこと。

綾織に比べると伸縮が無いため型崩れもない平織り布。

加えて地厚なので強度面に優れるのでバッグだけでなく

エプロンやメンズのワークウエアなどに最適です。

ダーツ成形が美しいドレスにはあまりにも似つかわしくない生地選び。

というより そもそもこの生地でワンピースを作るという発想も

これほどまでに美しいドレスのようなものを仕立てる事実が驚きです。

何も気にせず着ることが出来る生地のおおらかさ

気兼ねなくザブザブとお洗濯出来るところが何より嬉しい。

 

ワンピース全体を貫く曲線のダーツ成形。

調理が難しいはずのコットンキャンバスをシンプルな味付けで。

 

 

上半身はキャンバスの気配を残したスッキリとした仕立て。

下半身は裾周りに4m近い贅沢な要尺を使用することで

「本当にキャンバス?」と疑いたくなる美しいAラインドレープ。

ただ上下ともにキャンバスが持つハリ感をうまく残しながら

異なる食感をひとつの素材で味わうような楽しみがあります。

 

 

伸縮の無いキャンバスなので背面には運動量を加味し適度な余裕を。

ワイドパンツのように仕立てた筒袖先の丸みが手を細く見せてくれます。

 

ウエスト脇にループ飾りが付属します。

あえて共布ベルトを用意していないデザイナーからの粋な計らい。

着る人自らの味付けの余白が残されています。

私個人のおすすめなら細めのサテンのリボンや太めのベルベット。

色はブラックや季節に応じてパールホワイトにグレー。。。

味変の想像を巡らせるだけでワクワクしてきます。

 

 

 

BAG:poefu FOR poefu Almighty Leather Basket

SHOES:R.U.「Jo」One Lace 2way Lace Long Vamp Shoes

シンプルながら存在感と印象性を併せ持つドレス。

フェミニンなブラックのレザーアイテムを合わせて。

3・4月の大切な式典のお召し物にも良さそうです。

 

OUTER:MASQUE FOR STRANGE BOUTIQUE FOR poefu「比類なき」Coat

BAG:TACHINO CHIE「M.F.B」Vegetable Tanned Leather Hand Bag

SHOES:R.U.「Jo」One Lace 2way Lace Long Vamp Shoes

ヘビーユースに耐えうる生地という意味ではお仕事にいかがでしょう。

fūga(poefuの2階)を生んだFOR poefu「比類なきコート」に。

 

 

OUTER:BLUE BLUE Linen Denim Round Coat

BAG:minä perhonen「tambourine」egg bag

SHOES:R.U.「Jo」One Lace 2way Lace Long Vamp Shoes

もちろん普段着にもリネンデニムのオーバーサイズコートで。

生成りのコーデにマスタードのエッグバッグが良く映えます。

 

 

 

NATIVE VILLAGE

Shirring Off Neck Onepiece

black

Free(one)size

¥35,000+tax

 

「コットン?。。ですか。。。?」と店頭では聞かれることの多い

シルクのようなタッチの超長綿を使用したブロードクロス。

糸ムラの少ない細番手の超長綿らしい滑らかな手触りと

素材そのものが持つ自然な光沢が上品な上質さを静かに物語ります。

薄手にも関わらず透けにくい高密度のブロードクロスは

一年を通し着用可能なので様々な調理方法が考えうる万能素材。

品のある生地はいざとなれば結婚式などハレの日のお召し物にも

デザイナーが選んだ調理方法はゴムシャーリングと一本の背面ダーツ。

 

三段のゴムシャーリングとオフハイネック。

一見濃い味に見えますが3本のシャーリングステッチが走るだけ。

「これだけ?」と物足りなさを感じるくらいのデザインとしては薄味。

良い素材に余計な味付けをしない和食のようですが。。。

 

少し説明が難しいのですが上下三段のゴムシャーリングの

最上段がやや長めにとった首を前方に引っ張っています。

ひと手間が別の事象を引き出している相乗効果です。

まるで鱗を残した魚の皮面に火入れをした時のように

柔らかな生地は自立せずに内側にロールしていきます。

 

前方のシャーリングとは非対称なシンプルでスッキリとした背面。

 

何だか首下が立体的な膨らみと不思議な浮き方をしています。

 

よく見ると背中心にはダーツタックが取られてそこを中心に

上下の布を逆スプリットで開放していることが分かります。

漆黒の生地の中に見えない程度に添えた隠し味のような味付け。

前後で縦横4本の線だけで描いたような美しい調理方法。

 

BAG:poefu FOR poefu Almighty Leather Basket

SHOES:Vialis FOR poefu T-strap Shoes

2月に入り本格的な式典用のお召し物を探し始める時期。

と言ってもpoefuのお客様はいい意味でわがままなので

「その後は普段に使える物で」というイメージのコーデ。

それぞれが色々な役回りをしてくれる便利なお靴とお鞄で。

 

 

OUTER:Tabrik Ramie Reversible Blouse Ink Dyed

BAG:minä perhonen「tambourine」mini bag

SHOES:Vialis FOR poefu T-strap Shoes

墨染のTabrikブラウスをカーディガン代わりに羽織で。

印象的な味付けをいかした重ね着で普段着をお洒落に。

 

 

OUTER:Dead Stock Military Snow Parka

BAG:poefu FOR poefu Almighty Leaher Basket

SHOES:Vialis FOR poefu T-strap Shoes

コーディネートはお料理の味付けに似ています。

自分好みの味付けだけでなく意外な味付けも楽しい。

店頭でお取り扱うお品物では一番意外かもしれない

デッドストックのスノーパーカと呼ばれる白のモッズコートと。

ちなみに雪上戦用のミリタリーウエアーです。

 

 

普段食べ慣れているはずの食材へのアプローチ。

ナイフを入れることさえためらう美しいセンスある盛り付け。

口に入れた瞬間に「?」が広がった後に笑みが溢れる意外性。

 

普段着慣れたはずの素材や生地への色々なアプローチ。

つい手に触れたくなる美しくセンスのあるデザインやディテール。

袖を通す前には気づかなかった「?」に気付き増していく日々の愛着。

 

 

ところでデザイナーが作るお料理ってどんな味がするんだろ?

 

 

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是非ご利用下さい。