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幸せの青い鳥 -2020-

2020.04.11|Blog

生きている間にいつかは訪れてみたいと思っている場所。

個人的にはイタリア・カプリ島「青の洞窟」はそのひとつです。

 

 

まずは砂浜から続く透明度の高い浅瀬に出てみましょう。

 

何とも言えずゴーシュらしさのある印象的な色出し。

かすかにブルーの気配が漂う淡く透明感のあるグレー。

もし「限りなく透明に近いブルー」を実際に表現したなら

もしかするとこんな色なのかもしれません。

 

凹凸のあるスラブ糸で経糸にコットン緯糸にリネンを使用し

日本国内で最も良質な生地を産み出す尾州で仕立てた

拘りあるテキスタイルはゴーシュのオリジナル。

無地の中をまるでさざ波のように漂うムラのあるスラブ糸。

消えいくようなブルーと泡のようなグレーの陰影が

スラブ糸の波間で美しい陰影を描き出しています。

 

(モデル身長154cm)

OUTER:BLUE BLUE Half&Half Trenchester Coat(sold)

INNER:-M- Silk Cotton Bow Tie Blouse

SHOES:R.U.「Jo」Ribbon Lace Long Vamp Shoes

アウターをはじめトップスやワンピースには数あれど

意外と探してみると見つからないグレーのパンツ。

ベーシックな色のはずなのにボトムスに来るだけで

どこか新鮮なのはそのせいかもしれません。

合わせる色目を問わずに印象的な佇まいは魅力的です。

 

どんぶらこ どんぶらこ

浅瀬を漕ぎ進みいけば「青の洞窟」はもう間もなくです。

洞窟は半ば海面に沈んでいて入り口は狭いので

船の底に身をかがめて帽子は飛ばないように

手で抑えて準備をしてくださいね。

 

ゴーシュ

Cotton Linen Slub「Grotta azzurra」Wide Pants

light grey  / blue

2(one)size

¥32,000+tax

 

ゴーシュのお洋服の中で最もリピーターやファンが多い

アイテムと言えばカツラギパンツを始めとするパンツです。

今回ご紹介するパンツは新しいデザインのワイドシルエット。

 

ゴムシャーリングのパンツなのにどこかキチンとして見える。

ウエストはもちろん腰周り全体がスッキリしている。

リピーターやファンの方は口を揃えてそう言ってくれます。

 

そして何よりシルエットが良くて履きやすい。

パンツにとって当たり前の最も大切な事ですが

ゴーシュのパンツの場合は履いたその日から

履き続けていく度にその良さがジワジワと増していく。

誰もが知る世界的デザイナーズブランドで8年間

パタンナーとしての経験値を積んだデザイナーらしい

履けば履くほどに分かる味わい深いパンツたちに

色違いや生地違いに形やシルエットの違うものと

多くの人にリピートされている一番の理由です。

 

今春夏の新たなワイドシルエットは外側だけでなく

内股にもカーブ曲線を描いた興味深いデザイン。

特に意識的ではなく自身の描いたデザイン画を

忠実にパターンを引いていくとそうなったとの事。

 

内股をカーブさせることで足を開くと少しO脚に見える。

本来ならばデメリットとも取れるはずの事を

ゴーシュらしい見事なパターンで美しく仕立てています。

 

(モデル身長153cm)

OUTER:MASQUE FOR STRANGE BOUTIQUE FOR poefu

比類なき幻 Coat(sold)

INNER:NO CONTROL AIR No Collar Shirt

SHOES:Vialis FOR poefu Pointed-Toe T-strap Shoes

個人的に想うゴーシュのパンツの魅力はニュートラル。

イージーパンツ然としないシルエットの良さと

クセの無さでブランドの垣根を越えて

コーディネートがとてもしやすい存在です。

まずはモノトーンでこの鮮やかなパンツを主役に。

アウターのMASQUE FOR STRANGE BOUTIQUEも

世界的なパタンナー出身のデザイナー。

インナーのNO CONTROL AIRはゴーシュ一番の親友。

大学で建築を学んだ異色デザイナーは独学でパターンも引きます。

お洋服を楽しむポイントは人それぞれにという意味で

パターンも自ら引くデザイナーたちのお洋服を

コーディネートでさりげなく合わせて私も楽しんでみました。

 

スラブ糸のムラ感が橫面に色干渉する波のようなブルー。

映像で見た「青の洞窟」のような言葉にし得ない

無限色のブルーをパンツに染め写しているようです。

25年に渡る私のアパレル人生において最も衝撃的で印象的な

この目にも鮮やかなブルーとは三度目の対面です。

(厳密にはその都度少しずつ色を変えていらっしゃいます)

どうやってこのブルーを染色工場に依頼しているのだろう。

見る度にそう思いただただ驚くばかりです。

というのも天然素材とりわけ今回のような太番手糸の

マットな生地に色は鈍く沈みがちに染まるからです。

ゴーシュデザイナーの頑固とも言える拘りは

時に職人や工場と口論になるほどです。

頭に想い描いた色彩やデザインを形にしたいという熱量が

職人魂に着火させてこんなあり得ない色が実現されるのでしょう。

きっと未だ見ぬカプリ島「青の洞窟」の美しきブルーも

このゴーシュブルーのように見たこともない表現し得ない

感動的な美しさのブルーなのだと想像しています。

 

(モデル身長154cm)

OUTER:NO CONTROL AIR Kingyo Cardigan

INNER:UNIVERSAL TISSU Cotton Silk Shirring Cuff Blouse

SHOES:R.U. Ribbon Lace Long Vamp Shoes

海のブルーと大地のカーキ。

地球の色=アースカラーとお洋服に欠かせないブラックを。

普段着を大それたテーマで楽しくコーディネート。

ブラック・グレー・ネイビー・ホワイトのモノトーン以外では

最もコーディネートしやすい色であるブルー。

空や海のように自然界に最も多いこの色は

それを背景にして全ての色と調和しているからです。

気軽に考えるならジーンズを履く感覚でも良いと思います。

ぜひ今春夏のワードローブに加えてみてください。

 

そろそろカーブする内股も「青の洞窟」に見えてきましたか?

かつてカプリ島「青の洞窟」を訪れたことのある

イタリア好きのpoefuスタッフに色々と尋ねてみた所

その洞窟の美しさと同じくらい「青の洞窟」に入るまでの

船酔いの思い出について熱く語ってくれました。

 

このパンツは船酔いはしませんのでご安心ください。

ただあまりの美しいゴーシュのパンツシルエットと

それぞれのグランブルーの色にぜひ酔いしれてください。

 

ONLINESHOPでもご紹介中です。

ぜひご利用下さい。

 

↓ ↓ ↓

-余談-

初めてのゴーシュブルーとの衝撃の対面は

拙著『幸福の重ね着』の「絵空の言葉」の項

−青い鳥を探して−というタイトルで書いています。

興味があればお家時間に読んでみてください。

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青い春。若さの象徴としての青。

ピカソが悲哀によって向かった青の時代。

清潔感を示すがゆえに作業服として使用されてきた青。

除虫を目的に藍で染められたというジーンズの青。

 

青は、時として具体的な意味を持ち、特別な何かを秘めていて、私たちをその色へと向かわせます。

日本人の青に対する視覚認識能力は、世界で最も優れているといわれています。

そのせいもあってか日本人デザイナーの表現する、言葉では言い表せないほどの美しい青に出逢うことがあります。

青といっても、青・蒼・碧・瑠璃・水色・空色・群青・紺・濃紺・鉄紺…..と様々な色がありますが、紺色ひとつとっても濃淡を細分化していくと、無限に「紺色」はあるはずで、その微妙な変化を表現する言葉は見つかりません。言葉は無力です。

目の前に広がるこの青は、はたして何色と言えばいいのでしょう。

決して饒舌ではないゴーシュデザイナーの泉夫妻は、どうやってこの青を染色工場に依頼したのでしょう。

もしかすると、美しい布に言葉は無力というよりも、無用なのかもしれません。

言葉の力など必要としていないかのようなこの服の青は、それくらい力強く、私達に雄弁に語りかけてくれます。

妥協点の無いゴーシュの洋服作り。私たちが未だかつて見たこともない、美しき青の開示。それは言葉を超越した理想の青。

 

人はいつも青を追い求めます。

その無限の色の世界を彷徨いながら。

理想の青を探し求めて。

幸せの青い鳥を探すように。

 

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