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Something Comforting

2021.04.07|Blog

ああ、きっと僕(たち)は

どこかおかしいに違いない。

 

LENSE

Fold Cocoon Coat

grey / black

0 / 1 / 2

¥62,700(tax in)

 

春夏シーズンとしては

とても珍しいコクーンコート。

しかも「第三の男」のそれは

見たこともないコクーンです。

正面からのシルエットに

その異質さが見え隠れします。

バスト線の高い位置から膨らみ

ヘムに向けてすぼんだかと思えば

また僅かに広がるマーメイドライン。

 

側面に回るとその不思議な

シルエットの秘密に通じる

鍵穴のようなポケットがあります。

 

実はこのコート元々は

コクーンシルエットではなく

大きく広がるAラインシルエット。

 

Aラインを巻き込むように

ポケット下で脇線に縫い付け

コクーンのベースシルエットを作り

縫い付けた箇所の下部が

Aラインの名残で広がり

コクーン主体のマーメイドラインに。

 

Aライン→コクーンシルエット

勿論敢えての要尺の無駄使い。

 

「脇線に巻き込む布全体が

巨大なポケットに見えて

どうなっているかが解らない」が

デザイナーの意図です。

 

元々のAラインシルエットの

起点と同じ高位置に

ベルトループが付属します。

 

何だかおかしい。。。

ですね?。。。。

 

中央で縫い付けられています。

三角に縫われることで

サイドループにかけて

そのまま垂らすだけでも

とても面白い表情を見せます。

 

例えば片側だけをたるませても。

ヒップラインまで続くスリットが

縦のラインを強く意識させます。

 

サイドループから抜くと

ひときわ個性的な表情に。

 

着丈より長めにはもちろん

垂らした際の絶妙なバランスを

考慮した長さになっています。

シッポのような羽のような。

「第三の男」はただ美しい

パターンを引くだけではない

只者ではないデザイナーのようです。

 

「見えていない上衿」を

作りたかったというデザイナー。

このコート一番の難題は

幾ら考えても言葉に変換不可です。

首周りから下襟に見える

僅かな立ち上がりが

その透明であるはずの存在を

確かなものにしていますが…

何を言っているか

分かりますでしょうか……?

 

平置きにしてみると

後ろ首から下襟に通じる箇所が

全く平らになってくれません。

それこそが透明な証明書です。

まああまり深く考えずに

「凄いな」くらいでの

思い込みが大切かと思います。

 

(モデル身長154cm size1着用)

INNER:eleven 2nd

Cashmere Boatneck Knit

PANTS:kaval FOR poefu

High Count Linen  Sheeta Pants

SHOES:Atelier d’antan(R.U.)

「Camille」

One Lace Gillie Shoes

 

 

経糸には超長綿のツヤが美しい

世界三大綿の1つスーピマコットン。

緯糸にはリネンを高密に打ち込んだ

コットンリネンのツイル生地。

超長綿スーピマの滑らかさに

リネンのゴワついた質感。

それは心地よい矛盾の共存です。

 

 

ダブルの特性をいかした着こなし。

見返しを内と外のボタンに留めて

アシンメトリーなオープンフロント。

 

(モデル身長154cm size1着用)

INNER:kaval

Silk Taffeta Open Gather Onepiece

SKIRT:humoresque

Random Tuck Wrap Skirt

SHOES:Vialis FOR poefu

Pointed Toe T-strap Shoes

 

 

僕は幼い頃からずっと

「なんか変わっているよね」と

言われ続けて生きてきました。

今となってはありがたい

褒め言葉なのですが

とりわけ小中学生の頃は

とても解釈が難しい言葉でした。

どうやら自分の普通は

他人の普通とズレているらしい。

でもそのマジョリティには

同調できない正直(不器用)な

自分に悩むことが多くありました。

 

そんな自分だからでしょうか。

「変な人だなあ。。。」と思う

デザイナーとの出会いには

僕自身ワクワクしてしまいます。

同士を見つけたような感覚です。

 

LENSEデザイナー田村匠さんも

「変な人だなあ。。」の1人。

もちろん心地よい褒め言葉で

同士としてそう思っています。

 

Oh,there must be something wrong with us,

I tell the wrong clothes something comforting.

 

ああ、きっと「僕たち」は

どこかおかしいに違いない。

だから僕はそのおかしな服たちに

心地よい何かを伝え続けよう。

 

誰もが知る世界的ハイメゾンで

積み上げたパタンナーキャリア。

ただシルエットが美しいとか

そんな事だけではない。

彼はパターンだけでなく

縫製も自ら手がけています。

端処理に施されたパイピングや

裏地なしのアウターを

出来るだけ美しく見せるために

ふんだんにあしらわれる

気の遠くなる手まつりの縫製跡。

 

LENSEデザイナー田村匠さん。

彼はただ「変な人」では無い。

「美しいを知っている変な人」。

それが今の僕から彼に贈る

1番の褒め言葉です。

 

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