2018.09.15|Blog
「売れるものではなく作りたいものだけを作る」
それはとても簡単なようでとても難しいこと。
セールスが伴わなければブランドは存続していけない。
大きな企業ではなし得ないデザイナーの本懐。
TOWAVASE
「Hand Smock」
Khadi Cotton Hand Smocked Dress
black
Free(one)size
¥98,000+tax
手紡ぎ手織りで知られるカディコットン。
世界に知られるインドの手仕事の究極とも言える布。
目を凝らすと見える手紡ぎならではの糸節や織斑。
そこに掛けられた膨大な手間や時間が生み出す布は
手仕事にしか得られない良さがあります。
春夏はサラサラとした着心地で快適に過ごすことが出来
秋冬は手織りムラの中に空気をためてフンワリと温かい。
この手仕事の究極とも言えるカディコットンを
このドレス一着に9メートル!も使用しているのです。
分量感のあるワンピースやコートに使用する3倍もの長さです。
TOWAVASEデザイナー曰く「国内で最長の要尺かも」。
着用時には9メートルもの布を使用しているとは思えない
不思議なくらいにスッキリと見えるシルエットは
夥しい量のハンドスモックタックによって作られています。
日本国内の職人の手で一山ずつ丁寧に綴じられた
着ることを惜しむくらいに美しい手仕事の極みが重なり合います。
OUTER:TOWAVASE「Permanent TOWAVASE」
Hand Stitched Silk Quilt Robe Coat
SHOES:R.U.「Camille」One Lace Gillie Shoes
言葉に詰まるほど美しすぎる2つの永遠を重ねて。
今月に入って訪れたミナやGASA*やhumoresqueの展示会場で
着用していたこのワンピースに各ブランドのデザイナーさんが
吸い寄せられるように触れてきます。
「9メートルのカディ!」
本当に作りたいものだけを作り続ける尊敬する人たちが
目をキラキラさせながら驚きの表情を見せてくれます。
GASA*デザイナー五十嵐さんは
「じゃあうちは9.1メートルで作らなきゃ!」
と作り手らしい嫉妬と冗談を交えながら笑います。
その眼の前にあるGASA*来春夏コレクションには
デザイナーの本懐を遂げたような誰にも真似出来ない
素晴らしいジャガードローブがあります。
デザイナーの本懐。
「本当に作りたいものだけを作る」
その本懐が着る人に届けられた感動的な瞬間。
デザイナーの本懐は本当の意味で成就するのだろうと思う。
ONLINESHOPでもご紹介しております。
是非ご利用ください。
2018.09.15|Blog
少し頑固な二人はどこか似たもの同士。
一人は植物学者の頑固者。
一人は洋服デザイナーの頑固者。
susuri
HEMULEN Shirt Onepiece
greenish black / amber / khaki
S / M size
¥30,000+tax
(モデル身長153cm S size着用 khakiのみ167cm M size着用)
適度な厚みにこっくりとした柔らかさのあるコットンブロード生地。
透け感が無く一年を通してワンピースとしてだけでなく
春秋には軽めのアウターとしてもとても便利な生地感です。
greenish blackと名付けられたsusuriオリジナルカラー。
マットなblackの奥底には微かにグリーンが潜んでいて
光の当たり具合などで時折そのグリーンの気配が見え隠れします。
ドロシーシャツコートと同じ背面の誇張されたハンガーループ。
「ドロシーシャツコート」「ヘムレンシャツワンピース」
その名前の通りシャツに多く見られるハンガーループディテール。
本来のベーシックな見た目を大きくデフォルメ誇張することで
不思議な違和感とともにモードなデザインの一部に昇格し
何よりもsusuriというブランドのアイコンディテールになっています。
後身頃にデザインの主張を強く持つワンピース。
対する前身頃は美しきシャツワンピースの静かな佇まい。
その静けさの中にかき消されそうな一見とてもシンプルさには
susuriらしいディテールの細やかな集積に強い拘りが隠されています。
小さな襟がちょこんと佇まう前下がりの美しい首元。
台襟を備えて立ち上がりを美しく仕上げています。
あくまでも「シャツ」ワンピースであることを
さりげなくも頑なに貫こうとしているデザイナーの意図が見えます。
少し頑固なデザイナーは更に頑なに
「シャツ」ワンピースと誇示するかのようにクラシカルな剣ボロと
襟に合わせたような愛らしい小さな袖カフ。
OUTER:nitca FOR poefu Sheep Leather Rider’s Jacket
PANTS:humoresque Silk De Chine Shirring Pants
SHOES:R.U.「Sue」Long Vamp Shoes
ウエスト下からのドレープが秀逸なワンピース。
短め丈を合わせてのオールブラックのコーディネート。
greenish black。
グリーンがかかったブラックという曖昧な色表現。
鉄釜で煮詰めるように染色する「東炊き」ならではな色。
モヤがかかるようにハッキリとしない色合いに染まります。
お洗濯による退色が気にならないというメリットだけでなく
ソリッドなブラックと合わせた時のグラデーションが美しい。
バスト位置に見えるさりげない切り替えデザイン。
肩位置からバスト線までをきれいにおさめるために
切り替え位置より上は二枚で仕立てています。
切り替え位置下から美しく広がるAラインシルエットは
シャツワンピースのお手本を見ているかのようです。
このワンピースの創造性の興味深さは
ムーミンに登場するキャラクター「ヘムレン」が着ている
少し腰が曲がった姿勢で生まれる背中から腰にかけての出っ張りを
立ったままの姿で出るようにパターン形成されています。
想像世界の住人が着ているお洋服を創造する。
susuriというブランド全体を通して感じる
明瞭な言葉では説明が難しい具体と抽象を自由に行き来する
不思議な心地よさがそこにはあります。
INNER:humoresque Cashmere Wide TurtleKnit
PANTS:kaval FOR poefu Sheeta Pants
SHOES:OFFICINE CRETAIVE brown
春秋はアウター代わりの軽い羽織として。
見た目のスッキリさに反して厚みのあるニットなどにも。
インナーにはこちらを着ています。
ミドルゲージのワイドシルエットニットインナーを着ています。
OUTER:susuri FOR poefu Dorothy Shirt Coat(this color sold)
PANTS:humoresque Silk De Chine Shiring Pants
SHOES:R.U.「Sue」Long Vamp Shoes
長尺のヘムレンシャツワンピース。
susuriの名作ドロシーシャツコートから裾をのぞかせて。
今秋のシーズナルカラーはamberとkhakiの2色。
東炊きならではのファジーな色合いのアースカラーは
とても柔らかな印象でとても使い勝手が良さそうです。
INNER:assiette 東炊きSilk Cotton Frill Sleeve Blouse
SKIRT:minä perhonen「rosy」Embroidery Silk Skirt
SHOES:R.U.「Jo」One lace 2way Lace Long Vamp Shoes
袖口のフリルにフロントからは薔薇の刺繍をのぞかせて。
フェミニンなアイテムに秋色のアンバー。
モノトーンとアースカラーもおすすめな色合わせ。
IINER:Fabrique en France 1×1 Rib Turtle L/S T
PANTS:ゴーシュ カツラギワイドパンツ
SHOES:R.U.「Camille」One Lace Gillie Shoes
BAG:poefu Leather Hand Bag Large
メンズライクな着こなしにも便利なシャツワンピース。
カツラギのベージュにカーキのアースカラーコンビに
ブラックを各所にさし色使いで引き締めて。
ムーミンに登場するヘムレンに自身を投影するかのように
少し頑固なデザイナーが作り出したシャツワンピース。
クラシカルなシャツのディテールを踏まえつつも
想像と創造が入り交じる心地よい不思議な違和感。
ブランドがスタートしてから一年近く
susuriにはワンピースが存在しませんでした。
それはメンズレディースでデザインを共通するという
ブランドコンセプトの拘りを貫くためでした。
あれから約6年。
少し頑固なsusuriデザイナーが生み出した名作ワンピース。
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