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2019.03.09

薔薇色の人生

2019.03.09|Blog

先日3月5日にpoefuは8周年を迎える事が出来ました。

各ブランドやメーカーさま デザイナーや作家さまはもちろん

何よりもたくさんのお客様からのご愛顧や支えあっての

8年という時の重なりに心から感謝申し上げます。

 

そしてオープン当初からお取り使いをさせていただいておりました

minä perhonenは今春を最後にpoefuでの展開が終了します。

日本国内を中心に日々深刻化するお洋服の過酷な生産背景。

poefuだけでなく日本国内のセレクトショップ約70店舗での

展開が今春夏で終了となってしまいます。

 

poefuでは最後となるminä perhonenのお洋服のご紹介です。

 

 

minä perhonen

「rosy」

Silk Flower Embroidery Skirt

navy / gray

36〜40 size

¥68,000+tax

(モデル身長153cm)

 

シルクのみに許された上質な光沢。

滑らかでハリ感のあるシルクタフタをベース生地に

ぽってりとした厚みのあるコットン刺繍糸の対比が美しいテキスタイル。

薔薇たちの幾層もの花弁を表現する刺繍糸の軌跡は

機械刺繍には全く見えないほどの躍動感に満ちあふれています。

デザイナー皆川明 氏が描いた原画のひと筆ひと筆の意思を辿り

刺繍糸が途方もない時間をかけて描いた旅路の絵地図のようです。

 

 

navy

 

不規則に並べたウエストタックが見せてくれる陰影は

無地にひと時も同じ顔を見せない豊かな表情を与えます。

 

ヘムラインには折り込むような二段のティアードスタイル

このさりげない施しにより布のタワミが出ること無く

刺繍の柄面もシルエットもしっかりと出すことが出来ます。

 

OUTER:nitca FOR poefu Sheep Leather Rider’s Jacket(sold)

INNER:Fabrique en France 1×1 Rib Cotton Turtle L/S T

PANTS:humoresque Silk Shirring Pants(launched soon)

SHOES:minä perhonen「magnolia」Leather Mule(sold)

(モデル身長153cm 38size着用)

シルクのスカートにレザーのライダースジャケット。

ワードローブにあまり無い天然素材同士の組み合わせです。

そしてフェミニンとマニッシュなアイテムの組み合わせ。

例えばデニムとバレエシューズの関係性のように

対極にありそうなアイテム同士は組み合わせてみると

意外にもベストマッチだったりするものです。

 

 

OUTER:ironari FOR poefu サクラコート八千代

INNER:susuri HEMULEN Shirt

SHOES:Vialis FOR poefu Pointed Toe T-strap Shoes

(モデル身長153cm 38size着用)

さりげなくブルーからネイビーのワントーンコーデと

サクラ(コート)の下に薔薇で二つの花を咲かせてみました。

お花見をお洋服とともに楽しめる季節ですね。

 

 

 

gray

タックインとタックアウトはお好みのバランスで。

春夏はウエストマークが高くなることでスタイルも良くなり

「スカートが主役」のタックインの着こなしが多くなるかもです。

刺繍面を中心にして3分割される上下は無地面。

トップスやシューズはその無地面に合わせるイメージで。

そう考えると無地スカートのように気軽に着こなせそうです。

 

OUTER:susuri HEMULEN Shirt Onepiece(this color sold)

INNER:assiette Cotton Silk Lace Blouse(this color sold)

SHOES:R.U.「Jo」One Lace 2way Lace Long Vamp Shoes

(モデル身長153cm 36size着用)

春コート代わりに羽織ったシャツワンピース。

オープンフロントになることが多くなる穏やかで暖かい春の日。

ワンピースから自然にのぞく薔薇の刺繍が春らしい雰囲気に。

 

 

OUTER:Ebony Ivory Random Pleats Jacket

INNER:Tabrik FOR poefu Ramie Reversible Pleats Blouse

SHOES:beautiful shoes「MARYJANE」One Strap Heel Shoes

BAG:poefu FOR poefu Almighty Leather Basket

(モデル身長153cm 36size着用)

+ジャケットで春の入学式や式典用のスカートとしても。

大切な記憶や記録の中にミナのお洋服がある幸せを。

 

 

 

15年前

「将来もし独立して自分のお店を持つようなことがあれば

ミナペルホネンをセレクトしてみたい」

まだ京都にいた頃そんなことを夢想していました。

 

その2年後スタイリスト大森伃佑子さんから

「来年京都にミナの直営店が出来るよ」と聞いた瞬間

私は自分の夢が潰(つい)えてしまい その場で号泣してしまいました。

 

その翌年2007年にminä perhonen京都店がオープンしました。

オープン前日私達はオープニングレセプションの

ケイタリングスタッフとして会場のお手伝いをしていました。

三木鶏卵のだし巻き卵や出町野呂商店のお漬物をはじめ

京都らしいおもてなしのお料理の数々を来場者に振る舞う係です。

 

当時友人でもありもちろんファッションの師でもあった

大森伃佑子さんがそれらの料理を手際よく大皿に盛り付けていく

センスはトップスタイリストらしい圧巻の美しさでした。

 

デザイナー皆川明さんとの「はじめまして」もその日のことでした。

京都での独立が叶うことは無いという個人的な絶望と引き換えに

皆川明さん本人と出逢うという新たな夢の始まりを得た忘れられない日。

 

それからpoefuオープンまでの出来事は拙著『幸服の重ね着』に書いたとおりですが

西荻窪にpoefuがあるのは皆川明さんからのひと言

「馬喰町か西荻窪がいいんじゃない?」が始まりです。

 

15年前に京都で描いた夢は8年前に西荻窪で現実となりました。

 

そして1年ほど前に今春夏での展開一旦終了のお知らせが来ました。

15年分の思いと8年分の感謝は言葉にもならず

最後の展示会では最もミナを知り愛するデザイナーのひとり

長江青ちゃんの前で涙が溢れて止まらなくなってしまいました。

 

 

minä perhonenは今年24年目を迎えます。

「せめて100年続けたい」

その「せめて」もの大義にはまだ76年もの永い月日があります。

現在でさえ国内を中心とする物作りの状況や環境は日々深刻化するばかりです。

その状況に反比例し難度の高い表現をテキスタイルに求め続けていく事。

たった数着のコートやワンピース分の長さを織るだけで

数十日という途方もない時間を要するものもあります。

テキスタイルだけでなく縫製やさまざまな面での深刻な状況は

お洋服作りだけでなくブランドそのものの存続や未来さえ危ぶまれます。

 

「せめて100年続けたい」

ミナが描くその夢を今は心から応援したいと思うのです。

 

 

minä perhonenを知ることで手にすることで

身につけることで日常は不思議な高揚感に溢れ始めます。

 

15年前の私たちがそうであったように

8年前のpoefuがそうであったように

poefuでミナを知っていただいた方がそうであったように

 

ミナとともにある日々は「薔薇色の人生」の始まりです。

100年後の未来の人たちにもこの薔薇色の道が続くことを願い

今日は涙をこらえてミナに「ありがとう」を伝えたいと思います。

 

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