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2020.06.09

鳥になった少年の唄

2020.06.09|Blog

「何かを変えたいと思った」

今春夏の展示会中

susuriデザイナー齋藤龍也氏は

まるで自身に言い聞かせるように

その言葉を何度もつぶやいた。

 

susuriというブランド名は

世界共通空想言語エスペラント語で

さらさらと流れるような音を意味する。

 

さらさらと流れ始めた小さな川は

この8年間で自らの意思を持ち

大海原へと漕ぎ出していく。

susuriのブランドイメージは私の中で

水の音色と共に成長していった。

 

「何かを変えたいと思った」

デザイナーのつぶやいた言葉は

海よりも広い空を見上げながら

鳥のように空を飛んでみたい

そんな風に私には聞こえてならなかった。

 

 

susuri

Mercy Onepiece

navy / ice

1(one)size

¥38,000+tax

 

 

尾州で仕立てられたテキスタイル。

刺し子のような織文様柄のストライプは

細かな織文様を作ることが可能な

ドビー織機という織機で表現しています。

 

透け感は無く適度な厚みもありますが

ポコポコとした凹凸ある表面感は

韓国の伝統的な布団イブルに似た風合いで

1年を通して快適な着心地です。

もちろんご自宅でのお洗濯も可能です。

気配で留めたかのような淡色調のグレー。

 

 

ネックラインから放射状に広がるダーツで

構成するスッキリとした上半身と

そこから開放された生地が末広がる

流麗なAラインシルエット。

 

袖口に向けて捻りを加えた

印象的なスリーブシルエットは

肩周りをなだらかに収めながら

絶妙な分量感で作り上げています。

 

背面には着脱用にジッパーを備えます。

スイスの高級ジッパーブランドとして知られる

riri社製のものを使用しています。

 

(モデル身長154cm)

HAT:Pois E「VIOLA」BAO Canotier(sold)

PANTS:TOWAVASE「Sarasa」Silk Pants(sold)

SHOES:Vialis FOR poefu Pointed Toe T-strap Shoes

BAG:BLUE BLUE JAPAN Cotton Lawn Bag

 

 

もう6年以上前の懐かしい資料。

susuriにまだワンピースが無かった頃

FOR poefu別注として1からデザインした

ロングシャツの付属ボタン候補たち。

(頑固だからあくまでもワンピースではない)

デビュー当初からボタンチョイスに

並々ならぬ拘りがあったsusuriのお洋服。

形状はもちろん穴数に色や素材。

ここ数シーズンは一部のお洋服のために

オリジナルボタンまで制作する拘りよう。

 

「何かを変えたいと思った」

susuriというブランドの象徴性を

最も雄弁に語り続ける背面デザイン。

本来であればアウターに使用する

あえて大振りなririのジッパー採用に

抽象的である想いは強く実現されています。

大袈裟に言うなれば

重力に逆らえるジッパーの採用は

水面からずっと眺めていた

大空へと飛翔したいと願う

自らの意思を具象化するような存在です。

 

 

デザイナーの嗜好性を紐解く

洗いざらしたかのような

フェード感のあるネイビー。

着衣時の陰影による濃淡が美しい。

 

(モデル身長167cm)

INNER PANTS:humoresque Silk Shirring Pants

SHOES:Atelier d’antan(R.U.)「Sue」Long Vamp Shoes

 

 

拘り続けたボタンを無くしてまで

何かを変えたいと

重力に逆らうジッパーという翼を携えた

鳥になった少年の唄

 

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