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2018.12.23

それぞれが想い続けたこと

2018.12.23|Blog

「プレスウール」

2000年のブランド創業近くから18年の長きに渡り

evam evaが頑なに作り続けるオリジナル生地。

定番が殆どないevam evaのお洋服の中にあって

毎シーズン生地だけは同じでデザインや色を変えながら

最もブランドを象徴し愛され続けているものです。

 

平たく言うと超圧縮の縮絨ウールですが

おおよそここ3年ほど前までは

明確な縮率や制作法則がなかなか見いだせず

その非効率な生産背景に苦労が絶えないものでした。

 

当時を振り返りながら「何度やめようと思ったことか」と

evam evaデザイナー近藤さんは言います。

 

見た目にも着用時にも布帛にしか見えないこの「プレスウール」。

布帛ではなく丸編機を使用して編み上げた実はニットです。

縦横ともに約半分の大きさ!になるくらい縮ませるというから

只々驚くしかないくらいの手間と時間だけではなく

それに伴う費用がかかることを想像することは容易です。

 

さらにこのプレスウールに使用するニット糸は

全てevam evaのために作られたオリジナルのトップ糸。

羊毛段階で染色を施すトップ糸の別注は1色あたりで

100kg以上の目方が必要でとても大きなロットになります。

ましてや数色の色を使用して一色の色を仕立てるニット。

別注で何色も作るとなればその道は険しくなるばかりです。

 

なぜそこまでの苦労をして頑ななまでに

evam evaがこの「プレスウール」を作り続けるのか。

デザイナー近藤さんの答えはあまりにも明瞭です。

 

「私達はニット屋だから」

evam evaの母体は山梨に拠点を置くニットの工場。

そのため現在とは違いブランド創業時の製品は

殆どニットであったためこの布帛のような生地

「プレスウール」が生まれたのも自然の成り行きです。

 

超圧縮をかけることでフェルト化したニットは

目地の隙間がなくなり風を通しづらくなります。

布帛のようにしっかりとした厚みはありつつも

ご試着いただく方が必ず口に出して驚くほどの軽さです。

またニットの名残としてストレッチ性があり

秋冬はインナーの厚みに左右されず様々なものを重ね着できて

ストレスフリーな着心地の良さも大きな魅力のひとつです。

 

 

evam eva

Press Wool No Collor Coat

charcoal grey / khaki grey

1 / 2 size

¥38,000+tax

(モデル身長153cm  1 size 着用)

 

 

ノーカラーで女性らしく少しだけ前下りのあるネックライン。

インナーを問わずストールやマフラーが映えるデザインです。

 

INNER:humoresque Alpaca Wool Crew Neck Knit

SKIRT:Pois E「OPERA」Skirt

SHOES:R.U.「Jo」One Lace 2way Lace Long Vamp Shoes

STOLE:minä perhonen「rosy」Embroidery Double Face Stole

ちらりと見えるさし色の赤いニットとアクセサリー感覚のマフラー。

色や柄がコートから浮き上がるように目を楽しませてくれます。

evam evaらしい静かな佇まいのはデイリーなだけでなく

コーディネートするアイテムを引き立てるお洒落な着こなしにも。

 

 

袖と脇身頃を一体化させた独特なパターン構成。

大きく肩を落とさずとも厚手のインナーも受け入れることが出来

着用時にはスッキリとした見た目を作り出す秀逸なパターンです。

 

脇面をパネルで構成することで身体の立体を巧く包み込みます。

 

布帛のようでいて布帛でないニットの名残を感じる

軽さと柔らかな生地の質感やドレープです。

 

INNER:minä perhonen「sand hill」Pull Over Knit Sew(sold)

PANTS:ゴーシュ カツラギワイドパンツ

SHOES:DANSKO Professional Patent balck

何色でも合わせやすい濃グレーのアウターはとても便利です。

シンプルなコーディネートに冬の寒色でメリハリをつけて。

 

 

 

INNER:susuri Pieter Onepiece(sold)

SHOES:Vialis FOR poefu Pointed Toe T-Strap Shoes

一番使い勝手の良い膝丈のアウター。

その理由はアウターとしての温かさをきっちり確保しながら

コーディネートするインナーやボトムスをいかす長さだから。

ワンピースのシャドーチェックを裾からのぞかせて。

足元はタイツにVialisで軽さと女性らしさを加えて。

 

 

INNER:minä perhonen「tambourine」Down Vest

DENIM:minä perhonen「always」Denim

SHOES:OFFICINE CREATIVE Lace up Shoes

ゆとりのあるシルエットにストレッチ性のある「プレスウール」。

インナーダウンを重ねることも容易です。

いつものデニムにメンズライクな着こなしで。

マフラー代わりにダウンのフードを出してアクセントに。

 

記憶を遡ること14年前

初めて購入したのがこの「プレスウール」のコートでした。

当時はevam evaがニット会社が始めたブランドであることも

このコートが実は元々がニットであることも知らずに

ただただ軽くて温かいとても便利なコートという認識で

最もヘビーユースの冬アウターの一着でした。

 

時をへてpoefuを初めて数年後色々な理由があって

evam evaの展示会に初めて伺った際に再会した「プレスウール」。

その時にデザイナー近藤さんからたくさんの物語を聞き

いちユーザーとしての愛用品はますます愛着のあるものになりました。

 

苦労を厭わず頑なに作り続けるメーカーの熱い想いと

記憶に残り続けた一枚のお洋服への個人的な想い。

 

10年以上に渡りそれぞれが想い続けたこと。

その想い出とともにお届けできれば幸いです。

 

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