2019.05.29|Blog
「姉妹伴」
姉妹伴とは中国福建省 恵安に伝わる文化慣習。
そこで生まれた女性たちは幼い頃から互いの家を行き来し
寝食を共にすることで本当の姉妹のように育ちながら
その固い絆は結婚後も一生続くと言われています。
その深い絆になぞらえてpoefuより一年遅れてオープンした
1歳年下の妹のような存在
たまプラーザ「annabelle」との
別注企画を「姉妹伴」と名付けています。
susuri FOR「姉妹伴」
何だか「隠し」ごとの多い名作ワンピースのご紹介です。
susuri FOR 姉妹伴
Hide Onepiece
black / stone / pink
1 ( one ) size
¥32,000+tax
(モデル身長153cm)
black
「東炊き」と呼ばれる江戸時代から続く染色方法による反染め。
blackは生地が染み入る様に染まったマットな濃墨色のような印象。
コットンタイプライタークロスを使用しています。
本来パリパリとした紙のような質感のタイプライタークロスですが
東炊きにより適度なハリに柔らかさが良い意味で加わっています。
コットンらしい洗いざらしの風合いがとても良く
速乾性やお洗濯強度もあるとても優秀な生地です。
一年を通して着用可能なくらいの生地厚になります。
SHOES:R.U.「Camille」One Lace Gillie Shoes
例年以上に酷暑を予感させる今夏。
重ね着いらずの一枚で着用可能なワンピース。
加えて豊かな表情を見せてくれるとなれば出番が多くなりそうです。
「Hide」
その名の通り全てを “覆い隠す” ほど贅沢な要尺使いのワンピース。
楕円にくり抜いたようなボートネックラインは
インナーが露出しない丁度良いくらいの開き加減と。
手を広げた際に見えていた膨大な布分量はどこへ。
身体のラインを拾わない程度に「隠し」ながら
とてもスッキリとした落ち感のあるシルエットになります。
すぼまった袖口に向けて立体的な曲線を描く
肩下がりのあるスリーブデザインは身頃と一体化し
袖カフはその先に添えるように付属しています。
“行って帰って”の布使いにネジって仕立てた立体的なカフス。
ワンピース全体の分量感を袖口でまとめ上げます。
「ドロシーシャツコート」や「ヘムレンシャツワンピース」のように
susuriというブランドを象徴的にする前後の二面性。
何も無いとてもシンプルなデザインの前身頃に対して
ワンナップで切り込んだヨーク下の背中心にギャザーが寄せられます。
脇下からヘムに向けてやや内側に向けた側面構成。
背面が前面を抱き込むようなパターンのコクーンシルエット。
前身頃よりも更に贅沢なたっぷりとした布使いが
ギャザー下にドレープを描き背面を 覆い「隠して」い ます。
stone
鉄釜で煮詰めるように染色を行う「東炊き」ならではの
何とも言えない曖昧な色に染まる特徴を引き出した1色。
淡色ながら透け感の無いやや青みを帯びたストーングレーは
今春夏ヘムレンシャツワンピースでも展開されていた色です。
反物を染色する際に生地に刻まれるワッシャー加工のようなシワ。
アイロンをあてても取れること無い細かなシワは
常に洗いざらしの布のような雰囲気と表情性が魅力です。
PANTS:humoresque Silk Shirring Pants(sold)
SHOES:Vialis FOR poefu Pointed Toe Sandal
静かに立っているだけでも見る角度によってコロコロと
表情豊かに変化し何かを「隠して」いるかのようなワンピース。
ポケットに手を入れただけで「隠れて」いた布が動き始めます。
pink
目にも鮮やかなネオンピンクは姉妹伴オリジナルカラー。
日替わりでお洋服を着替えることの多い春夏を中心に
一枚で着ることの多いこのワンピースに合わせて
きっと一日の気分を上げて思い切り楽しめそうなピンクです。
susuriの展開カラーに無い雰囲気はとても新鮮に映ります。
想像していた以上に綺麗な染め上がりでお気に入りです。
静態でのスッキリとした佇まいから動きを加えた途端
「隠れて」いた布が躍動し衣服は意思を与えられたように
「隠されていた」様々な表情を見せてくれます。
PANTS:-M-Medium Silk Wide Inner Pants(this color sold)
SHOES:beautiful shoes Barefoot Sandal
分量感を利用したブラウジングスタイルにアレンジ。
麦わら帽子やサンダルで夏に向けてオリエンタルな雰囲気で。
poefuより一年後にオープンしたセレクトショップ「annabelle」。
年に数回会う時も週に何度も電話をして話すのも
殆どの時間はいつも大好きなお洋服の話ばかり。
「姉妹伴」(しまいはん)
小さな二人の姉妹が愛してやまないお洋服の物語。
毎シーズンたくさんの新作ワンピースを発表するsusuri。
もう何年も前に一度だけ作られた幻のような名作。
色んなものを「隠す=Hide」ワンピース。
姉妹(伴)だけの隠し事をsusuriを愛してやまない皆様に。
ONLINESHOPでもご紹介中です。
是非ご利用ください。
2019.05.26|Blog
5月26日(日)
yasuhide ono作品展
『アルペジオ』at poefu 本日最終日となります
作家 yasuhide onoも本日在廊中です
ぜひご来店下さい
なお6月1日(土)2日(日)は店休日なります
ご迷惑をおかけしますがどうぞよろしくお願いいたします
2019.05.24|Blog
『アルペジオ』at poefu
自然との調和
日常との調和
衣服との調和
さまざまな和音(アルペジオ)の調を思考しながら五線譜を美しく染め上げていきます
yasuhide ono作品展
5月18日(土)〜26日(日)
期間中は全日営業
*17日(金)は設営準備のため店休日
作家在廊予定日18日(土)19日(日)26日(日)
期間中は作家自らがインドに赴き買い付けた
多彩な天然石を使用した様々なアクセサリー
繊細な金工細工のリングやネックレスにはヘキサゴン(六角形)の新たな作品がメインに並びます
作家の原点であるマクラメ編みは土着的な要素を盛り込んだ作品性の強い一面を
シンデレラリングこと水晶リングはポイント・ラウンドで100点近い豪華な内容で
yasuhide ono作品を多数ご覧いただけます
〒167-0042
東京都杉並区西荻北3-2-3松屋ビル1階・2階
poefu(1階)fuga(2階)
03-6913-8019/03-6913-9212
13時〜19時30分
2019.05.24|Blog
例えば渋谷で人と待ち合わせたとしましょう。
待ち合わせの相手から「15分ほど遅れます」との連絡に
待っている時間を何気なく街行く人に目を移します。
。。。。。
おそらくものの10分もすれば気付いてしまうでしょう。
。。。。。。。。。。
「どうやらタピオカミルクティーが流行っている」ことに。
世の中の流行りからきっと一番遠いところにいるはずの
デザイナーが作る美しいワンピースのご紹介です。
TOKIHO
「SOLO-Ⅳ」
Cotton Silk Grosgrain Onepiece
smoke / black
1(one)szie
¥38,000+tax
TOKIHOデザイナー吉田季穂(ときほ)さんは
東京在住ですが人が多く集まる街にあまり出かけません。
それは世の中で今何が流行っているのかという事だけでなく
自らの意志とは裏腹に多くの情報が無意識に入ってきてしまうから。
TOKIHOのお洋服にリピーターが何より多い理由は
美しいシルエットに的確な運動量と動きやすさ。
いかにもパタンナー出身のデザイナーらしい理由です。
ベーシックな色合いと一見するとシンプルなデザインですが
目を凝らしていくとデザイナーの中に日々湧き上がる疑問や
流行とは無縁の美しいものへの記憶の残留がそこかしこに
痕跡のように刻まれていることに気付きます。
「襟って。。。何なんでしょうね。。。。。」
そう何度も何度も独り言のように呟いていた今春夏の展示会。
前回「PRESENCE-Ⅱ」でも伝えたエピソードを更に続ければ
「もともとの衣服を辿っていけば襟は存在しなかったはずで
その後に”洋の服”というものの多くに襟が付くようになって。。。
その一方で”和の服”には殆ど襟というものが無い。。。。。。。」
ぼそぼそと独り言のような呟きは続きます。
その襟に対する疑問を何度も頭の中で反芻しながら行き着いた
「退化」という独自解釈の襟はまさに痕跡と呼ぶに相応しい。
「SOLO−Ⅳ」
初めてpoefuでTOKIHOを取り扱い始めた頃から
マイナーチェンジを繰り返す名作ワンピース「SOLO」の4作目。
女性らしく華奢で柔らかな肩曲線と吸い付くような首周りは健在。
印象的な「退化した襟」の存在がこれまでの「SOLO」以上に
それを美しく孤高にTOKIHOらしく見せてくれます。
袖が身頃に格納されるようなショートスリーブ。
小さく刻んだスリットは4作目に新たに加わった機能ディテール。
これまでの「SOLO」シリーズで多く用いてきた
ヘンリーネックデザインは背面ボタン仕様に。
参考までに上2つの画像が「SOLO-Ⅰ」
もちろん「襟って何でしょうね。。。」という疑問から
前面から背面に移行したのは自然の成り行きです。
上下で大きさを変えたボタンは思考の末に辿り着いた
着脱に対する有効性とボタンとしての機能を十二分に果たすもの。
ネックの先端部分のみ抜けて見えるので開けてみましょう。
ボタンの大きさだけでなくボタンホールの角度
内側の比翼の重なり具合まで全てを考慮した徹底ぶりです。
思考の末の「襟の退化」は「背面の進化」に繋がります。
身体のラインを拾わない程度のスッキリとした上半身と
ウエストから大きく広がるAラインシルエットとドレープ。
タックやギャザーの技法を用いることなく布の有り様と
パターンのみで仕上げたミニマルさが見事です。
ミニマルで美しい佇まいを改めて前から見てみましょう。
裾が。。
何だか。。。
おかしいですね。。。。
突然ですがデザイナー吉田季穂さんの家にはテレビがありません。
「見ないから」という理由の先にはもちろん
自身の作品であるお洋服に影響を及ぼさないためです。
自らの意思でテレビを見ることはありませんが
古い画集や写真集を眺めては深い思考の海に潜り込みます。
その思考の中で時に蘇るのが「記憶」です。
前身から後身にかけて鍵のようにフックした特異なデザイン。
これはデザイナーが生まれ育った富山の生家の蔵にある
古い朝鮮箪笥の側面を留める鉄製の金具のデザインに由来します。
自身の記憶の中にある美しい機能美をお洋服に痕跡として留めます。
多くの人が目にするテレビの世界ではなく
彼だけにしか描き出せないオリジナルデザインがそこにあります。
超高密度に織られた細かな畝のある平織り布のグログラン。
夏の麦わら帽子を飾るリボンは殆どがこのグログラン織り。
長年たくさんの服地を見てきましたが天然繊維だけで織られた
しかもシルク混のグログラン織りの服地は初めて見ました。
「どこから見つけてくるのだろう」毎シーズンそう思う
ベーシックながらTOKIHOらしい興味深い生地提案です。
やはりこちらもゴワッとした見た目の表情を良い意味で裏切る
着用時の軽さと柔らかさが共存する特異な生地感。
シルクの自然な光沢感がカジュアルに華を添えてくれそうです。
ハリのある生地感は洗濯強度に優れているのでデイリーにおすすめです。
また夏場でも肌離れも良く一年を通して着用可能です。
smoke
その名の通りやや曇りがちなグレージュ。
淡色が少ないTOKIHOの中にあって「らしさ」を感じる一色。
OUTER:Tabrik Asymmetry Hem Onepiece 泥藍
PANTS:humoresque Silk Shirring Pants(sold)
SHOES:TACHINO CHIE「OCULI」Button Shoes
HAT:Pois E「CONSORT」PARABUNTAL Hat
ほぼ一年を通じて着用可能なシンプルデザインのワンピース。
一枚での着用はもちろんワンピース同士の重ね着にも。
black
シルク混の鈍い艶感にグログランのテクスチャー。
表情性のあるブラックは使い勝手の良い一色になりそうです。
OUTER:-M- Silk Robe Gown
SHOES:beautiful shoes Barefoot Sandal
今春よりお取り扱いが始まる新しいブランド。
スタイリスト小暮美奈子さんが手がける-M-(ミディアム)の
シルクローブガウンにラフでいて美しいサンダルを。
上質な素材感で夏らしい着崩しモノトーンコーデ。
少し余計なお世話かもしれないのですがこの物語を書くにあたり
「今巷でタピオカミルクティーが流行っているの知ってますか?」
今週訪れた来秋冬の展示会でデザイナー吉田さんに聞いてみました。
「えっ!そうなんですか。。。。知らなかった。。。あ!
だから最近コンビニにタピオカミルクティー売っているんですね!」
poefu(私)より流行から遠いところにいるデザイナーTOKIHO(吉田)さん。
コンビニに置いてるのは知っていたと得意げな吉田さんにもですが
何よりコンビニにいる吉田さんを想像すると何だか笑えてきてしまいました。
ONLINESHOPでもご紹介中です。
ぜひご利用下さい。
2019.05.20|Blog
poefuでは「見渡す限りの美しさ」でお馴染みのOPERAスカート。
Pois E(ポイズ エ)デザイナー平岡あゆみさんのA面は帽子作家。
毎年夏を待たずに完売してしまうので今年はお早めのご紹介です。
Pois E
「VIOLA」BAO Canotier
ivory / black
S(one)size
¥19,000+tax
BAO(バオ)と呼ばれるココヤシの葉を加工した天然草。
硬質な素材感はシルエットの美しい帽体を作ることが出来ます。
驚くほどに軽量で日々の帽子としての被りやすさがおすすめです。
Canotier(キャノチエ)はフランス語で言うところのカンカン帽。
円筒形のクラウン全体を包み込む幅広のリボンとエンドの始末が
クラシカルでいてPois Eらしい印象的なデザインです。
TOPS:Honnete FOR 姉妹伴 Irish Linen Gather Onepiece
PANTS:humoresque Silk Shirring Inner Pants(sold)
SHOES:R.U.「Sue」Long Vamp Shoes
既にお気に入りの春夏帽子を幾つかお持ちの方へおすすめのホワイト。
幅広リボンをアクセサリー感覚で印象的なポイントに。
TOPS:humoresque Silk Wide Gather Blouse
DENIM:minä perhonen「always」Denim
SHOES:TACHINO CHIE「OCULI」Button Shoes
BAG:minä perhonen「cuddle」Leather Bag
メンズライクなデニムに少しフェミニンなシルクブラウス。
上質なレザーのバッグとシューズで普段着をカジュアルアップ。
キャノチエは元々メンズのクラシカルな帽子が起源なので
メンズライクなお洋服の方にも被っていただければと思います。
Pois E
「CONSORT」PARABUNTAL
natural
S(one)size
¥30,000+tax
タリポット椰子の枝の芯繊維を編み上げたパラブンタル。
細やかな編地が美しくパナマに並ぶとても高価な素材です。
また1つの帽体を作り上げるのに数ヶ月を要する事や
近年良質なものが殆ど市場に出回ることのない稀少性で
25年のアパレル人生で私も個人的に今回初めて目にしました。
ただどこかで見覚えのある不思議な既視感を憶えるのは
おそらくアンティークの帽子で近いものを見たのかもしれません。
展示会で見たサンプルは何とも素晴らしい色艶をしていました。
数年前まだ良質なパラブンタルが手に入った頃に制作されたもので
経年変化で全体に少し色が濃くなりアンティークのような佇まいでした。
その美しい感動域の色艶にいつか出会える日を楽しみに
長く愛用いただける方やアンティークがお好きな方におすすめです。
OUTER:Tabrik Asymmetry Hem Open Front Onepiece 泥藍
INNER:TOKIHO「SOLO-Ⅳ」Cotton Silk Grosgrain Onepiece
PANTS:humoresque Silk Shirring Pants(sold)
SHOES:TACHINO CHIE「OCULI」Button Shoes
アンティークのような風情が漂う美しい帽子。
同じ気配を感じるTabrikやTOKIHOにTACHINO CHIEのお靴。
古いものや美しいものを愛する作家やデザイナーを
ひとつのコーディネートで巡り逢わせる楽しみ。
ONEPIECE:evam eva Silk Georgette Onepiece
PANTS:humoresque Silk Shirring Inner Pants(sold)
SHOES:Vialis FOR poefu Pointed Toe T-starap Shoes
BAG:minä perhonen「cuddle」Leather Bag
上質なパラブンタルの素材にシルクやレザーが良く似合います。
おめかししてのお出かけ着の日除けに是非合わせてみて下さい。
実用的で日々のお洒落を楽しむ「VIOLA」
時と共に愛着を刻みながら美しさに魅了される「CONSORT」
夏を待てないPois Eらしいお帽子。
ONLINESHOPアップ準備中です。
しばらくお待ち下さい。